「ねえ、あなた、熱くない?」


「ん?そう?」




ニノがおいらのデコに自分のおでこを引っ付ける。




「ほら、やっぱり熱あるじゃん!いつから?」


「そう言われてみれば、朝から体が重たいような・・・」


「マジで⁈大ちゃんこっち向いて」




翔くんのそばにいた相葉ちゃんがおいらのおでこに、

自分のおでこを当てて、うーんって唸ってる。




「ほらどいて、相葉さん。大野さん?頭は痛いの?」




次は松潤が同じことをする。




「頭は・・・ちょっと痛いかも・・・ってか

おいらは子供じゃないぞ!皆で子供扱いして」



「ふふ。熱があるって自分で分からなかったくせに、

ほら、この薬飲んで」



「・・・ありがと。松潤」



松潤がカバンから薬を出し、持っていたミネラルウォーターを

おいらの差し出した。

隣にいるニノが心配そうにしてる。




「ふふ、松潤の薬効くからね。すぐよくなる。

そんな顔すんなよ、ニノ?」



「べ、別に。心配なんてしてません」



「あー、ニノが照れてるぅー。可愛いな」



「うっさい!相バカはあっちいけ!」




相葉ちゃんがニノの頭を小突いて、ニノがその手を払う。

ふふ、相変わらず仲がいい。




その様子を翔くんが新聞越しに見ていて、

おいらと目があって、パッと逸らされた。




いつもおいらと目が合うとすぐ目を逸らすよね。

もう慣れっこだ。



コンコン

『そろそろスタンバイお願いします』

スタッフさんが呼びに来た。



皆、楽屋を後にする。

前の3人付いて楽屋を出ようとしたら、

腕を掴まれ、そのまま壁に追い詰められた。




腕を掴んでいたのは、翔くんだった。

翔くんの顔がおいらに近づいてくる。

おいらは思わず、目をギュっと閉じた。




「そんなに強張るほど、俺のことが嫌いなの?」


「え?・・・」




聞こえるか聞こえないかの小さな声で、

翔くんが呟き、おいらはそっと目をあける。

翔くんがおいらのおでこにおでこを引っ付けていた。




どアップの翔くんと目が合う。

びっくりして、また目を閉じた。




「・・・確かに熱いね。辛くなったら教えて。

俺が何とかするから。じゃ、行こっか」




そう言うと翔くんがおいらから離れ、ドアを開けてくれた。



おいらは熱が出て熱いのか、翔くんのせいで熱いのか

分からないけど、ドキドキが止まらず、

翔くんに促されるまま、楽屋を出た。