仕事が終わり、ホテルの部屋の前に佇む。
もう翔くんは来ているだろうか?


このまま、帰ったら、この関係は終わる?


このまま君の真意も分からぬまま・・・
あの悲しい瞳の理由を聞かないまま・・・


でも、この関係の先に何がある?
おいらの望む未来はあるのかな、ねえ、翔くん。


そんなことをうだうだ考えてたら、
部屋のドアが開いた。


「何だ、いたんだ。入らないの?」


「え?あ、い、いや」


躊躇していたら、翔くんに腕を掴まれ、
部屋の中に引き込まれた。
そのまま壁に押さえつけられ、唇を重ねられる。


徐々に深くなる口付けに、立ってられなくなり、
思わず、翔くんにしがみ付いた。


「んっ・・・はあ、・・」


ようやく翔くんが離れて、抱き締められた。


「・・・松本となんかあった?」


「え?」


「貴方から、松本の香りがする・・・」


「や!何もない!」


おいらは首を横にブンブン振った。


「ま、別にいいけど。シャワー浴びて来なよ。
ベットで待ってるから」


「・・・わかった」


ふいっと翔くんが身体を離し、
ベットムールへ消えて行った。
おいらは浴室に入る。


・・・松潤と何かあってもいいんだ。


別にいいってことは、
やっぱりおいらのことなんてどうでもいいのか。


じゃ、いつも終わった後、おいらの頭を優しく撫でるのはなんで?
そこに翔くんの気持ちがあるんじゃないかと、かすかに思ってたのに。


もう、わけが分からないや。
・・・おいらもう限界かも。
何度身体を重ねても、翔くんの気持ちが見えない。


優しい君と冷たい君。
どっちが本当の君なの?


熱めのシャワーを浴びて、翔くんの待つベットルームへ。



「遅かったね。来て」


伸ばされた手を取ると、
強引に引っ張られ、そのまま押し倒される。
首筋を口付けされ、ビクッと身体が震えた。


いつもより、どこか乱暴にされる。
やっぱり翔くんにとって、おいらはただの人形なんだね?


おいらの身体は心とは裏腹に、
翔くんの舌 遣いと指 使いに、翻弄され、
我慢してもその快楽を求め、声を出してしまう。


「んっ、や・・・やだ」


「ふふ、やだじゃないでしょ?」


「はあ・・・んっ」


「いいねーその顔、そそるねぇー・・・」


翔君が妖しく笑って、おいらの身体をうつ伏せに返した。
そのまま後ろから・・・


「んっ、ひゃん!・・んんっ」


口に指を入れられ、声が出せなくなった。










お互いに熱を吐き出し、
ベットに横たわる。


翔くんはベットに座り、いつものように、おいらの頭を撫でた。
その手をそっと掴む。


「ん?起きてたんだ・・・」


「・・・ね、今夜は朝まで一緒にいたい。
ここにいて・・・しょおくん、おねがい」


「・・・何、それ」


翔くんはふっと笑って、


いつもと同じく、


部屋を出て行った。