例えばあの時君に理由を聞けてたら、
こんなことにはならなかったのかな?


この行為には意味があるの?
ただの捌け口なの?
おいらを愛してる?


今はどれも聞けないや。
今の関係はおいらのせいだね。


君はおいらを穢したと思ってるみたい。


おいらだって、誰とでもするわけじゃない。
嫌だったら、抵抗して、逃げるよ。
か弱い女の子じゃない。


君に必要として欲しくて、
君のそばに居たくて、
君だけに見てほしくて、


身体を繋ぐだけの関係を続けてる。


こんなの駄目だって分かってる。


けど、君を失うのが怖くて、
もし、何の気持ちもないって言われたら、
おいら・・・


だから怖くて、何も聞けないんだ。


君が好き。
君が大好き。
君を愛してる。


どれか言えたら、
君は答えてくれる?


その答えはおいらの欲しい答えかな?


臆病なおいらは君の下で
君のくれる快感に
溺れるしか出来ないんだ。



この行為にはちゃんと理由があるんだよね。


おいらのこと、少しは好き?


本当は山ほど聞きたいことがあるんだ。
でも、聞けないでいる。




誰か・・・どうすればいいか教えて。









今日こそ聞こう。まず話をしよう。


「翔くん、あの今日さ・・・」


「いつものとこで待ってるよ、智くん」


「・・・あ、あのさ、」


「・・・駄目ならイイよ」


「ち、ちがうよ!行くから」


「ん。じゃ、後でね」












今日もまた繰り返す。


行為が終わったら、
すぐさま部屋を出て行く君。


呼び止めて、
理由を聞きたいのに、


怖くて、
寝たふりをしてしまうんだ。



だって、離れられない。


君の声に、仕草に、香りに、
与えられる快感に、


おいらは、


たまらなくて、


我慢できなくて、


君が欲しくて、




今夜も君と



・・・堕ちて行く。