あれから、本当に翔くんと会えてない。
お互い、一人の仕事が続き、レコーディングや、おいらは振付。


翔くんは報道の取材に、MCの仕事に追われてる。
仕事があって忙しいってことは本当に有り難いことなんだけど、
こうも会えないと、さすがのおいらもイライラしてくる。


前はこんなことザラで、会えなくても平気だったのにな・・・
ふふ、おいら、どうしちゃったんだろ?


ケータイが嫌いになりそう。
メールや電話は嬉しいけど、余計に会いたくなるから。


「ふふ、あなたもですか?翔さんと同じ顔してますね」


「へ?」


「昨日、レコーディングが入れ違いだったんですよ、翔さんと。
今のあなたみたいな抜け殻の顔してましたよ」


「・・・・・・・」


「会いたいなら、会いたいって言えばいいのに、
2人して似たもの同士ですね」


「・・・だって、疲れて寝たいだろうし・・・」


「・・・ま、私は関係ないですけど。
その顔鏡で見て見なさいよ、結構ひどいですよ」


「う、うっせー」


でも、ニノの言う通りかも。
会いたいんだもん。これぐらいのわがままイイよね。



おいらは仕事が終わって、翔くんのマンションへ向かった。
昨日のメールでは今日は早く終わりそうって来てたけど、
まだ帰ってないみたいだった。


早く帰ってこないかな?



予定通り早く仕事が終わって、
貴方にメールしたけど、返信がない。
まだ仕事か・・・仕方ないよね、諦めて帰るか。


部屋の前に座り込んでる人影を見つけた。
近寄って見ると、うずくまって寝ている貴方だった。


「ちょ,智くん、智くん起きて。
こんなとこで寝てたら危ないでしょ!ほら、起きて」


「ん?・・・あ、しょおくんだ」


「ほら立って、うち入るよ」


「ん」


中に入り、貴方に小言の一つでも言ってやろうと振り返ると、
貴方に抱き締められて、動けなくなった。


「あ、あの、智く・・・ん?」


「んふふ、しょおくんだ。あったかい」


貴方がさらにぎゅーっと抱きしめてくる。
こんなこと今までなかったから、ちょっと戸惑う。


「・・・もしかして、会えなくて寂しかった・・・の?」


貴方がビクッと身体を震わし、
どんと俺を押し、身体を離した。


「・・・用が済んだから、も、帰る」


貴方は目も合わさず、そのまま玄関へ。
俺は慌てて貴方の腕を掴む。
貴方は耳まで真っ赤にしてうつむいていた。
そんな貴方が愛しくて、今度は俺が強く抱きしめる。


「ごめん。寂しいのは俺だけで、貴方は平気だって思ってた」


「・・・もう、帰るってば!」


「・・・駄目。こんな顔見せられて、家になんて帰せない」


俺は貴方の唇に自分のそれを重ねる。
最初は少し反抗してた貴方が次第に俺に応え出す。
ドンドン深まる口づけに、息が続かなくなり、苦しそうにする貴方。


唇を離し、そのまま抱き上げ、ベットへ移動する。
貴方の誘うような、艶っぽい表情に、
俺はたまらなくなり、夢中で貴方の唇に吸い ついた。


「んっ・・はあ、・・ん」


久しぶりに聞く貴方の声に俺は我慢出来ず、
貴方の服を強引に脱がして行く。
貴方も俺の服をぎこちない手つきで脱がしていた。


俺をこんなに欲しがってる貴方は初めて。

嬉しいし、愛おしい。


本当に寂しかったんだとわかる。




俺にしがみついて、俺の名前を呼ぶ貴方が、



愛おしくてたまらない。