「・・・お!松潤出て来たよ?行って、リーダー」


「・・・ねえ?やっぱやめない?すぐバレるって‼︎」


「この後に及んで何言ってるんですか!ほら行って‼︎」


「智くん、スッゴイ綺麗だから大丈夫だよ。ほら、行って」


何故か目をキラキラさせてる3人に背中を押された。
バレたらバレた時だよな。うん。
おいらは覚悟を決めて、松潤の元に歩き出した。





「・・・あ、あの!松本さん、お誕生日おめでとうございます。
プレゼント持って来たので、受け取ってください」


「え?・・・・あ、ありがとう」


突然話しかけられて、ビックリしてる。
そして、上から下までじーっと見られて、最後に顔を覗き込まれた。
や、やばい、もう、ばれたか?


「・・・どっかであったことある?
あんた、なんか見覚えあるな・・・」


「い、いえ、こうやって会うのは・・・はじめて・・です」


「・・・ふーん。ま、いいや。
ねえ?この後予定ある?俺さ誕生日なのに1人なんだよね。
付き合ってよ!」


「え?あ、あの・・・」


松潤がおいらの手を強引にとって歩き出す。


「ほら、行くよ?まずは腹ごしらえかな」


え?ちょっと待て、おいらって気づいてないの?
本当の女だって勘違いしてるんじゃ・・・
ど、どうすれば・・・・


焦ったおいらは、助けを求めてあの3人を振り返る。
まんべんの笑みで手を振ってる。
ちょ、なんで?お、お前ら、覚えとけよ!





「ほら、ここだよ」


松潤に連れて来られたのは、隠れ家っぽいこじんまりとした雰囲気のある居酒屋さん。
席に着き、ニコニコした顔でおいらを見る松潤に申し訳なくて、
ちょっとトイレにって席を立った。



「ふふ、焦ってるな、あの人・・・・」

あいつらに何言われて、そんな格好して俺んとこに来てんだよ。
俺があんたに気づかないわけないでしょ。
このまま大人しくしてると思ってる?


あんたが悪いんだよ?
俺はこのチャンスを逃すつもりないよ。
覚悟してね。大野さん?




「・・・・・・・・」


あ、あいつら、揃いも揃って電話に出やがらねえ‼︎
これからどうすんだよ、
もう、正体バラすか?はーどうしよう?


女子トイレに入るわけにも行かず、
トイレの前で考え込んでると、後ろから声をかけられた。


「あれ、君どうしたの?
・・・君,可愛いね、この後予定あるの?
俺ら、違う店で飲み直すんだけど、一緒に行かない?」


若い男の2人組がおいらを囲って話しかけて来た。
・・・これって、ナ、ナンパか?


「あ、あの・・・」


「おい!俺の連れに何の用だよ?」


ドスの効いた低い声に2人組はビクッとして振り返った。
松潤が腕を組んでこっちを睨んでる。


「あ、お連れさんいたんだ、・・・すみません‼︎」


2人組は松潤に迫力負けして、そそくさに逃げて行った。



「油断も隙もねえな、あんたもフラフラしないで、
さっさと俺のそばに戻ってこいよ!心配すんだろ?」


そう言うと松潤は、おいらをギュっと抱き締め、


しばらくすると身体を離し、顎を掬い、唇を重ねて来た。


ぬるっと舌まで入ってきて、おいらは慌てて引き離す。


「ちょ、あの、松潤・・・お、おいらは」


「大野さんだろ?最初から知ってるよ・・・も、黙って」


松潤は再び唇を重ねてきた。




おいらは与えられる快感に、頭が真っ白になっていた。