コンコン。


収録が終わり、皆で楽屋に戻った直後、
ドアがノックされた。
入って来たのは知念だった。


「失礼します。お疲れ様です」


礼儀正しくお辞儀をして挨拶する。


「おー知念ちゃん!久しぶりじゃん?今日はどしたの?」


相葉ちゃんが知念の肩をだいて嬉しそうに聞いた。
知念は嫌がるそぶりも見せず、笑顔で答える。


「はい。今日は蔵之介さんと大野くんと食事に行く約束をしてまして、
大野くんを迎えに来たんです!」


キラキラ眩しい笑顔でそう答え、ね?って貴方に目配せする。
本当に嬉しそうな知念の顔を見て、嫉妬してる自分が恥ずかしくなった。
憧れの先輩とのご飯だもんな・・・
でも、・・・正直面白くないのも確かだ。


「なるほど。前逃げられたもんね。迎えに来るって名案だわ」


「今日は逃げられませんね、大野さん?」


「・・・もう、お前らうるさいな!あの時は本当に仕事が入ったんだってば!」


「はいはい。そういうことにしておきますよ。
知念くん、このおじさん、酔うとキス魔になるみたいだから
気をつけてね?」


「・・・マジですか?それは楽しみです‼︎」


た、楽しみって、やっぱり知念も貴方狙いか⁈
この前の感じだと、蔵さんも怪しい・・・
やっぱり一緒に行くべきか?なんて考えてたら、知念と目があった。


「櫻井くん。大野くんお借りしますね」


俺に一礼して、知念は貴方の腕を引っ張る。


「さ、行きましょう。大野くん!
蔵之介さんも楽しみに待ってますよ」


「わっ、ちょっと、知念くん待って・・・
ちゃんと自分で歩けるってば・・・
じゃ、お先に、おつかれさま」


「・・・・・・・」


「やられましたね。翔さん」


ニノがニヤっと笑ってこっちを見た。


「・・・ホント翔ちゃん、大変だね。
次から次へと、嫉妬してもキリがないねえ」


相葉くんが俺の肩をポンっと叩く。


「知念はまだ良いとして、蔵さんはな~
ちょっと覚悟しといたほうが良いかもね?」


松本が着替えながら言う。



マジか?やっぱり意地を張らず、一緒に行っとけば良かった、
智くん、どうか無事で、
でも、知念のやつ、なんで俺にだけ大野さんを借りますって言ったんだ?
なんかバレてる・・・?


・・・どうか、何も起こりませんように


ってか俺は?
いつになったら貴方と2人っきりになれるんだよ?





智くん、


さっき別れたばっかだけど、


貴方に会いたくてたまらないよ。