「思ってたより早かったですね?翔さん」


「んな、だってお前が、
『楽屋にすぐ戻って‼︎でないと一生後悔するよ』
なんてメールよこすからだろ」


「俺慌てて、スタッフさんに無理言って、打ち合わせ明日に変えてもらったんだぞ。
この局にいたから良かったけど、他所に行ってたらどうするつもりだったんだよ?」


「ふふ、だから一生後悔する羽目になってたってことですよ。
良かったですね」


「お前・・・・」


わけが分からず、ただ呆然としている大野さんの肩をドンと殴る。


「さっき言ったこと忘れないでくださいよ」


こそっとあなたに耳打ちした。


「じゃ、お邪魔虫は退散しますかね?
あとはごゆっくり~」


「え?二、ニノ?」


あなたが不安そうな瞳で私を見たけど、無視して
手をヒラヒラさせて楽屋を出た。



これで良かったんだよね。
あなたと幸せになりたかった。
けど、一緒に歩いて行けるのは・・・・・私じゃない。


ポンっと頭をたたかれた。
振り向くといつもの優しい笑顔の相葉氏がいた。


「腹減らね?飯いこ?」


優しい笑顔のまま、強引に私の手を引っ張っていった。









「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・あ、あの、智くんもいたんだ、ニノと何話してたの?」


「ん?ええーと、お説教?」


「え?説教って⁉︎」


「ふふ、ニノって良いやつだよね、おかげで目が覚めたよ。
ちゃんと伝えなきゃ駄目だよね」


貴方がそう言って俺を真っ直ぐ見つめた。
こ、これって、もしかして・・・・


「翔くん。おいら、翔くんに好きって言われて本当に嬉しかったんだ。
だって、おいらも同じ気持ちだったから。


でも、おいら男だから、こんな気持ちは持ってちゃ駄目なんだって思ってて。
なのにこの気持ちは、どんなに消そうとしても消えてくれなかった。

おいらも、もう限界。
・・・・おいらも、もうずっと前から、翔くんのことが好きだよ」



貴方の香りがフワッとしたと思った瞬間、俺は貴方に抱き締められていた。
これは・・・夢か?
目を開けたまま、俺、夢見てるのかな⁇


でも貴方の香りが、貴方の温もりが、
これが現実だって教えてくれる。


やっと、やっと手に入れたんだ。
嬉しくて、嬉しすぎて、力一杯抱き締め返した。


「・・・ちょ・・しょおくん、くるし・・いよ」


「だって、嬉しいんだ、貴方が俺を・・・・
夢みたい、夢じゃないよね?」


「ふふ、夢じゃないよ。おいら、しょおくんが好き、大好き」


「・・・もう一回言って」


「ふふ、何度でも言うよ。
おいらはしょおくんが好きだよ」


貴方の笑顔が余りにも可愛くて、
我慢出来なくなって貴方の唇にそっと自分のそれを重ねた。
貴方から甘い吐息が漏れる。





もっと聞きたくて、
俺は夢中で、貴方の甘い唇を貪った。




俺は貴方が好きだ。
もう貴方を離さない・・・・・