「おはよー」


俺と智くんは少し遅れて楽屋についた。


「あー、大ちゃんきた。昨日のメール大丈夫だった?
・・・って、あれ?その服って・・・?」

「それ、翔くんのじゃね?」

「・・・・・・・・・・」


智くんの服は、俺が昨日浮かれすぎてて、
乾燥機にかけるのを忘れてた。
仕方なく俺の服をきてもらったんだけど、
メンバーにはすぐ分かるよね・・・
昨日のこともバレてる?いやさすがにそこまでは・・・ね。


俺がそんなこと考えてると、智くんが昨日の状況を皆に説明し出した。


「そうだったんだ、良かったね。翔ちゃんつかまって。
俺、終わるの遅くて、気付いたの2時過ぎだったんだ。ゴメンね。」


「いいよ、相葉ちゃん。気にしてくれたありがとう。」


「そんなことになってんなら、打ち上げ早く切り上げれば良かったな。」


「んふふ、松潤が抜けたら打ち上げじゃなくなっちゃうじゃん、
でも、ありがと」


智くんが相葉くんと松潤と談笑してるとき、
ニノが俺をじっと見つめて、その視線をゲームに戻した。
・・・な、なに?なんかばれた?
いや、俺になんかついてる?


「・・・もしかして、大野さんの家の鍵ってこれですか?」


ニノの声に皆が振り返る。
ニノは、ゲームをやめてカバンから鍵を取り出した。


「あ、うん、それおいらの!」


「なんか私のカバンに紛れ込んでたみたいですね」


「良かった、これで家に入れる」
嬉しそうにニノにお礼を言って鍵をしまう貴方。
良かった、すぐ見つかって。


『櫻井さん、相葉さん、松本さん先にメイクお願いします』
スタッフが呼んでる。


「はーい、ほらいこ」


相葉くんの声に応え、俺と松潤はメイク室へ移動する。
ふと視線に気づき、振り返ると貴方が俺を見て微笑んでた。
嬉しくて、思わずにやける。
行ってきますって貴方にアイコンタクトして、ドアをしめた。



楽屋に2人だけになった。
俺はゲームをしながらあなたの隣に移動した。



「・・・・大野さん。
あなた、昨日わざと私のカバンに自分ちの鍵入れたんじゃないですか?」



「え?・・・」


「あなたって意外と策士ですね。昨夜は翔さん以外つかまらないって分かってて
これ、仕掛けたでしょ。」


「・・・んふふ、まさか」


あなた今どんな顔してるか気付いてますか?
まあ白を切るなら、それでもいいんですけどね。


「作戦は成功したようですね。今、幸せですか?」


「ニノがなに言ってるかわかんないけど、すげー幸せだよ」


そう言っていつものふにゃふにゃの笑顔で笑うあなた。
あなたが幸せなら、このことは翔さんには黙っててあげますよ。
言ってもどうせ喜ばせるだけだしね。







おしまい🐾