第3日目

1月4日(写真は全て私自身の撮影です。)

 

マルセイユのユニテ・ダビタシオンでは早起きして建築を見て回りました。

 

ここで少しだけ建物解説

 

ユニテ・ダビタシオン(コルビュジェ60歳のときの作品)

建築年代:1945〜1952

建築形式:大型アパート(商店街やレストラン、ホテル・幼稚園も併設した一つの都市である。)

「住宅は住むための機械」であるという有名なコルビュジェの発言を、その理論を具象化した建築がこのユニテ・ダビタシオンである。

 

「この垂直の田園都市は、近代技術の贈り物である。」

 

「私の仕事、建築と絵画は、すでに30年以上、数学の感覚に養われてきた。・・・モデュロールの最初の応用例はマルセイユのユニテ・ダビタシオンである。その全体計画及び断面、立面及びブリーズ・ソレイユ(日除けの庇)、住戸の平面と断面、家具造作の事例、1947年10月14日の式に用いた定礎石、あらゆる寸法の基準となる柱、モデュロールの栄誉を称える建築的表現、そしてその屋上(モデュロール  著:コルビュジェ より)」

 

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ル・コルビュジェには3つの時代があったと言われている。

18歳のときのアール・ヌーヴォー

31歳のときのピュリスム

59歳のときのブルータリズム

 

伝統的な建築から船や自動車、飛行機などの機械にも惹かれていく。

彼の造形はドミノ(規格住宅)からサヴォア邸、マルセイユのユニテ(この建築)、そしてロンシャン教会へとダイナミックに変容していく。これほどの造形言語を使いこなした建築家も少ない。

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建築を知る上で、書籍で読むのと実際現地に訪れて、その建築の大きさや佇まい、街の空気感、光や影を感じることでは、得られる情報量が圧倒的に違う。

 

僕はこの旅の後、日本に帰ってから日本にあるコルビュジェの建築や丹下・坂倉・前川・吉阪、そして安藤建築を見て回るのだけど、全てはこのコルビュジェを巡った旅がベースになっている。わざわざ現地に行くということに価値を置いている。

 

朝食はこのダビタシオン内のレストランにて。

レストランの上はこのようになっています。螺旋階段で登ることができます。

 

マルセイユの街。遠くに地中海が見えます。

 

共用廊下。中廊下形式で閉鎖的な空間。

中廊下は窓が無いので朝でも夜でも照明が付いていた。

ユニテ内の住居をいくつか見ることができました。

実際ここで家族が暮らしています。

当時としては画期的なキッチンプロトタイプ

シャルロット・ペリアンが参加した室内設備。

 

 

 

この住戸はメゾネットでした。

これはそのメゾネット上フロア。夕日でなくて朝焼け。

 

 

 

いくつかの住戸形式を見せてもらった。

 

 

 

 

 

これはホテル客室。

客室のトイレと洗面。

 

階段には窓があります。

 

 

屋上はユニテ・ダビタシオンの社会的な側面を示す重要な要素。体育館や幼児用プール、屋上庭園などの共用施設がある。(最上階には幼稚園、8階と9階には店舗用スペース)排気筒は彫刻のよう。

 

 

ピロティで持ち上げられている。

1952年10月14日にこの屋上テラスで落成式が行われたそうです。

 

排気筒

マルセイユの街を眺めながらランニングができます。

 

地中海が見える。

屋上の体育館

ピロティ下は地面を開放しバイク置き場となっていた。

建物を支える6mのピロティ。椅子の脚と同じような造形。

飛行機や船のタラップのような階段

車の置き方が雑。駐車場が整備されていないのか。

ピロティの中は空洞で、給排水管等設備スペースになっている。

 

 

フォン・モースの著書に収録されている各住戸単位を「箱に瓶を詰めるように」整然と並んだ住戸。コルビュジェのプロポーションシステムたるモデュロールシステム。人間の大きさからくる明確な尺度に従う空間構成。

ブリーズ・ソレイユ(屋根付バルコニーのような日除け設備)

この建築で多用されているコンクリートパネル。

エントランス。遠くに留まっているのは確か我々のバス。

 

長さ135m、高さ52mのファサード。

23種類のタイプからなる337戸の集合住宅部、

店舗や郵便局も入っている。

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マルセイユは一定の環境の中で行われた実験的住宅でした。決して公団住宅のような複数性にもとづいて作られたものじゃありません。

 

物から出発せずにエスプリを理解して、その上で分析するべきです。〜シャルロット・ペリアン

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ユニテ前の通り

マルセイユの街並み

マルセイユの街並み。歴史を語る石の建築。

バスは少し海岸沿いを走ってから、一路、リヨンに向かいます。地中海にお別れ。

 

ではまた。次にコルビュジェ70歳の作品であるリヨンのラ・トゥーレットの修道院に向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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