明けましておめでとうございます。

2023年も健康に笑顔で過ごせますように。


今年一回目は本の感想です。

最近「声優道」という岩田光央さんの著書を読ませて頂きました。

岩田光央さんは現在、青二プロダクションに所属して活動されているプロの声優です。

代表作としてはAKIRAの金田正太郎、頭文字の武内樹があるようです。僕が知っているのは、呪術廻戦の伊地知さん、ケシカスくんです。

声を聞けば「この人知ってる!」と思うかもしれません。

本書では、岩田さんが声優としての立ち位置を確立するまでの道のり、なぜこの本を書くことにしたのか、昔と今の声優業界の変化、声優と呼ばれる人達が実際どういった仕事をしているのか、など様々な角度から声優という職業を見ていきます。


僕が読んだ限りですが、

この本のメインテーマは

「声優として人生を歩みたい人たちへのメッセージ」

のように感じました。


声優は「食い物」にされている


かも知れないという現実。

あまり明るい話ではありませんが、

これから声優として生きていく為に

決して避けては通れない事実を伝えてくださっています。


コンテンツが溢れていること、

制作側も予算が限られていること、

ギャラの安い新人声優が大勢いること、

これらの事情が相まって「声優として食える」

ということが極めて難しい時代になっているようです。


岩田さんは


「だから諦めろ」


と仰ってるわけではないんですね。


それよりもお伝えしたいのは、

こういったコントロール不可能な要素からの

大きな影響を常に受け続ける脆い職業であるからこそ、

「不安しかない状態に自分の身を投じる覚悟を持ちなさい」

ということだと思います。

岩田さんの言葉では「不安と仲間になる」と仰っていましたが、

第一線で活躍されている方からやや後ろ向きの助言が出る

このことはとても重要な意味があるのではないかと考えられます。


これは、

本気で目指している人に対する本心からの助言

なんだと思います。

だからこそ、

本当に声優として生きていきたいのであれば、結果が出てもあぐらをかかず、常に不安な中で自分を磨く、

それを当たり前のように出来るようになる必要があるのではないでしょうか。


本筋は声優を目指す人達向けですが、

芝居のプロとしての心構え、

一人の人間としての人生との関わり方、

一分野で活躍し続けるための大切な要素、

など、今もなお活躍している岩田さんご自身の考えを綴っているので、

何か自分自身の生業とするものがある人にとっては学びの多い本かもしれません。


もし読まれた方がいたら、ぜひ感想をお聞かせください。


本日もありがとうございました。