「別居」「離婚」と聞くと、どこかネガティブな印象を抱かれることがあると思う。
いまは、まだ限られた人にしか伝えていないが。
不安、喪失、犠牲、お金の心配、、
そういった言葉がついて回るのも、仕方のないことかもしれない。
でも実際にその選択をした今、私は胸を張ってこう言える。
私たち親子にとって、それは“潤い”を取り戻す選択だったのだと。
息子は、幼稚園のころに受験をして、小学校に進学した。
志望校への合格は、本当に嬉しくて誇らしい出来事だったけれど、
通学は電車を使う必要があり、子どもにとっても親にとっても毎日が緊張の連続だった。
朝早くに家を出て、小さな体で満員電車に乗り、
疲れて帰ってきてからの塾。
塾終わってからも
急いで夕飯とお風呂をすまし、
塾の宿題と学校の宿題を日付が変わってもさせられていた、教育虐待。
今思い出すとゾッとする。
ふらふらで登校していた、
毎日無事に帰ってくることを祈り
ずっとGPSで見守っていた。
どれだけ本人が頑張っていても、子どもらしい安心感や余白は、いつも後回しだったように思う。
だけど今、生活環境を大きく変えたことで、
息子は徒歩で学校に通えるようになった。
違う市に引越しをしたが、
学校の近くで転校することなく
本当によかった。
放課後は、一度家に帰ってきて制服を脱ぎ、
すぐにお風呂に入り汗を流す。
オシャレなお気に入りのルームウェアに着替えて
自分のペースで勉強や宿題、
ゲームやYouTube。
お菓子やジュースも銘柄まで支配されていたが、
いまは好きなものを好きなだけ。
もちろん栄養のあるご飯には気を遣っているが、
二人分なのと、もともと料理が好きなので
楽しい。
前までは嫌いなあの人、の
ご機嫌や量に合わせて料理していたので
苦痛だったと実感する。
息子は新しいお家にも慣れ、
徒歩通学にも慣れてきて、
余裕が生まれた。
顔つきや言葉のトーンに、これほどまでの変化があるのかと驚くほどだ。
塾も、今はお休みしている。
これまでの「受験」や「通学」に向けて走り続けた日々を経て、
今は少しだけ、立ち止まり、見つめ直す時間。
それは“あきらめ”でも“後退”でもなく、
新しい暮らしと心のバランスを整える、大切な“調整”だと捉えている。
制服でまっすぐ家へ帰ってくる子どもの姿を見るたびに、
引っ越して本当によかったと思う。
放課後お友達と遊ぶより家が好きになったと語っていた。
そもそも放課後遊ぶ時間なんて
ほぼ許されなかったが。
それができたのは、「別れること」を選んだからだ。
別居や離婚が、すべての人にとって正解であるとは思わない。
けれど、私たちにとっては確かに「幸せのはじまり」だった。
周囲から見れば、きっと想像もしないような心の葛藤があったし、
今もなお、乗り越えるべきことは続いている。
だけど、“潤った生活”という言葉が、少しずつ現実になっているのを感じている。
そして願わくば、
この生活を、自分の努力と工夫で持続可能なものにしていけるよう、
これからも日々を丁寧に生きていきたい。
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