高速バスにて自宅へ走行中、なんと事故渋滞にハマってしまった。
救急車、パトカーが数台、現場へと向かっていった。
実に横浜町田から渋滞は1時間以上1ミリも動かなかった。

なんてこった。である。

皆既月食という、一大イベントを撮影しようと欠け始めまでに自宅へ戻る予定でバスに乗っていたのだ。それだというのに、結局地元のバス停で降りたのはおよそ3時間の遅延を経て、23:55。
ほぼ皆既時間終了時刻だったのだ。

まったく。
なんてこった。である。

とは言え、バスを降りてまだ数分間は皆既である。自宅へ戻るのは諦め、バス停から空を眺めると雲一つない星空が広がっていた。うっすらと赤銅色の怪しげなグラデーションを纏う満月、その下にはすばるとオリオン座がこれでもかという位鮮やかに輝いていた。
空全体の星の数も半端無い位だった。


皆既終了間際、唯一の皆既月食のフォト。

CLOUDNOTE-雲の旋律-


実は道中のバスの中でも何枚も撮ってみたが、ほとんど天頂付近の月にほとんど垂直の車窓では無理で、とても使える代物では無かった。揺れるし。

まあ、皆既の始めの方は雲が掛かっていたので、実はベストタイミングだったのかも知れないけど。およそ3分間の皆既は撮れなかった分、目に焼き付けておいた。


自宅へ戻ると、既に三日月の様な光が射していた。
皆既は終わってしまったものの、何もしないのも納得できないので三脚に乗せて撮ってみた。

CLOUDNOTE-雲の旋律-

既に月は白く、月明かりも写り始めていた。食が戻るにつれて、月明かりがどんどん星を消していき、更に地面を照らし始める。改めて満月の明るさを実感した。

次に天体望遠鏡をセッティングした。
直焦点撮影という、望遠鏡のレンズをカメラレンズにする様な撮影の方法で、専用のアダプターが必要になるのだが、今回の月食に向けて用意しておいたのだ。
皆既が撮影できれば本当に良かったのだが、残念ながら無理だったので、諦めきれず部分月食でもいいから、とにかく撮ってみたのである。


CLOUDNOTE-雲の旋律-


セッティングが終わり、撮影を始めた頃には半分以上戻ってしまっていた。
それでも歴代1位の速さでセッティングしたと思う。我ながらビックリした。

自分の眼で見ると影部分が赤く見えたが、フォトでは赤は見えなかった。クレーターが見えなくなる位露出を掛ければ写ったのだろうか。

あと、満月に戻る動画も撮らなかった。慌てていて色々出来なかったのが残念だった。それでもバスの中から必死で月を探していたり、月食の始まりから終わりまでがっつりと天文現象に向きあえたと思う。記録よりも記憶に残る?!今回の皆既月食となったのだった。

閑話休題。
ちなみに、バスの席は最前列だったため、パシパシ撮っていた音がドライバーに聞こえていたらしく、休憩時間に「月食撮れたかい?」と聞かれ、天文の話題が出たのでちょっと嬉しかった。

追記(訂正)
月の拡大写真が90度回転していたので差し替えた。
カメラが縦位置で撮影していて編集ソフトがその情報通り、90度回転させていたのである。それを気付かずにアップしてしまったのだった。