俺のロードスター。出逢ってはや6年。
愛車の事を”彼女”、と呼ぶオーナーは多い様なのだが、俺の場合は専ら”彼”だ(いや、実際に呼んだりはしないが)。ロードスターを所有してから明らかに世界が広がった。初めての場所、初めての出会い、初めての経験、色々な初めてをくれる、人生の友。
ロードスターノートとは、そんな彼との回想録である。

そもそも、大学生の時は東京23区だったので、移動はほぼ電車。免許は原付だけだったし、バイク乗りの友達はいたが、クルマとは程遠い人生を送っていた。
しかし卒業となると、東京にいつまでいるかも分からない。多くの大学生がそうする様に、卒業試験の一部の様な流れで自動車免許を取ったのだった。

ただ、免許を取るのなら、自分のクルマを何にするのか考えておかなくてはならない。車種なんて知らないから、とりあえずどんなクルマにしようか想像した。当時はミニバン全盛の時代だった。手頃な大きさで人数も荷物も沢山乗せる事が出来る、ついでに見切りも良いし乗り降りしやすい、まさに合理的思考の産物・・・。
しかし俺は考えていた。マイカー、そんなに人を乗せたいのか?そんなにしょっちゅう大荷物を運ばなければならないのか?皆同じ様なクルマに乗って楽しいのか?
クルマはただ持っていれば良い道具ではない。ほとんど毎日付き合うのである。しかも安い買い物ではない。つまり長い間乗れなければならないのである。

マイカーなんて一人で乗っている時間が圧倒的に多い。なら2人乗りで十分。
コンパクトなら細い道も走りやすいだろう。
いつ使うか分からない巨大な荷室など空間の無駄遣いだ。荷物なんて乗らなければ送れば良い。日本の運送業の繁栄に貢献である。
オープンカーなら屋根を開けたり閉じたりして、一粒で二度おいしい。つまり飽きずに長く乗れそうである。

以上を足し算した結果、ライトウエイト
オープン2シーターという解が得られたのである。何ともあまのじゃくな発想であった。しかしあまのじゃくな俺にとってはどうやらベストな解だったようだ。