夜の水鏡 -night stars reflection in the water- 桜吹雪が過ぎるといよいよ田植えが始まる。 田んぼには水が入り、一時だけ里の地平にはもう一つの空が出来上がる。 夜、それは星空となった。 目を凝らして覗きこめば、泥と枯れ草が絡まった底が見えるにも関わらず 水面を見れば、数十センチと数百光年が同じ所に同居する不思議さ。 そんな水鏡の美しさ。 空には春の霞。田んぼにははくちょう座のデネブが一際煌めいていた。 植えるばかりの苗。都市の明かりで照らされた富士。 逆さまの世界でも星座が結べた。 上下反対の星座だ。 白線は予想の星座線。暗くて分かりづらいので、部屋を暗くするかモニターの埃を払って見よう。