
『空と宇宙展』
日本の航空、宇宙開発に関するおよそ100年間の歴史を知ることが出来る。
およそ100年前、明治時代でも飛行機の構想は結構練られていたようだ。
最初は、それこそ鳥人間コンテストの様な機体だった。

飛行機が一番発展したのは残念ながらというか、やはりというか、戦争によってだと思われる。館内にも戦闘機、特にゼロ戦の模型が多数並んでいた。



模型だけではなく、実物も多数展示されていた。
プロペラや、エンジン、ゼロ戦の各パーツや、エンジン、エンジンの設計図など。
エンジンの設計図というか、外観図はまるでマンダラの様で、アートにすら見える。
戦争の影響はあるだろうけれど、こうやって新技術を次々に取り入れていく力に、昔も今も日本のものづくり技術者のモチベーションの高さは変わらないんだなと思った。
現代に入って来ると、ジェットエンジンの内部構造も展示されていた。
まるで沢山のギヤが入った変速機の様だが、これらは全て羽根である。
ジェット機の整備士はこんなモノを相手にしているのか。凄い。

そして宇宙分野へ。
今回の目玉というか、看板衛星(?)の「はやぶさ」はやはり目立つ所に展示されていた。「イトカワ」の微粒子も無事に持ち帰って来た事が分かり、問答無用の活躍ぶりは素晴らしかった。
ゼロ戦も世界でトップレベルの戦闘機と名高いが、ペンシルロケットを開発した糸川英夫博士は”隼”という主力戦闘機を開発する(写真5)。そして今回、”はやぶさ”が”イトカワ”にタッチダウンし、世界初の快挙で応えた。技術に対して技術で応える無言の敬意。
そして今回両機とも展示された。彼らの強い思いがお互いを呼び合ったのだろうか。


最後に、月面に人が住めるようになったら、月に太陽電池を並べて月発電所を作ろうというプランが紹介されていた。
これは地球から物資を運ばずとも月の資源だけで作ることが出来るらしい。
確かに、大気の無い月面なら地球上より圧倒的に効率良く太陽エネルギーを吸収出来る。
新たなエネルギー問題への解決策かも知れない。
ただ、もし実現したら現在の様な”まんまるお月さま”は見れなくなってしまうと思うと、惑星規模の景観破壊な訳であるのだが・・・。
