先日、PRIME NEWSなる番組で、探査機「はやぶさ」の特集が組まれていました。

「はやぶさ」で2時間も特番が組まれるなんて無かったので、楽しみにして観たら川口PMや国立天文台の渡部教授もゲストで出ていて、MC陣も”おかえり、はやぶさ”という温かい雰囲気に包まれていて観てよかったと素直に思いました。


皆さんは「はやぶさ」についてどう思ったのでしょうか。帰還間際にははやぶさ君と擬人化され、ピンチの数々を乗り切ってきた探査機に共感された方も多いのではないでしょうか。まあ、かくいう自分もその一人ですが。


日本人は遠慮や義理や情を重んじるとよく言われます。探査機に”君”とつけたり、”彼”と呼んでみたり、川口PMも「はやぶさ」が応えてくれたから成功したという発言は、モノに対してまるで命が宿っているかの様に扱ういい喩えではないでしょうか。

人に対しての情ももちろんですが、モノに対して情を込める事もよくあると言えます。


「はやぶさ」ミッションの成功において、日本はモノづくりが丁寧で信頼性がある事が改めて実証された訳ですが、決して環境的にも(島国)身体的にも(黄色人種)恵まれている訳でもない日本、そのモノづくりの丁寧さはどこから来ているのでしょうか。


そもそもモノづくりとは、それを使う事で人の環境や行動を便利で豊かにする為につくられる、そう考えると、

「相手に対する情の深さ」がモノづくりの原点である様な気がしてきます。

あの人にああいうモノをつくってあげたら嬉しいだろうな、とか、こういうモノが欲しいんじゃないか、とか、そういう視点が、技術を生んで、極限まで進化させる動機になっていっているのだと思います。


「はやぶさ」ミッションにおいても、日本の将来の宇宙開発の発展の為に、何としてもサンプルリターンの成功を願っていたからこそ、最高峰の技術を持っている科学者達が根性と諦めない気持ちを見せて、それが帰還へのプロセスを弾き出し、国民を感動へと導いたのだと思います。


どんなに良い教育をしても、人には動機が必要だと思いました。技術大国を目指すのなら、技術を覚えさせる前に、それをどう使いたいのか、自分の理想を感じられる感受性の高い豊かな人間性が育ってほしいと思います。

野口飛行士のツイッターに、「はやぶさ」の流れ星に、何かを感じる子供達はきっと将来幸せだと思います。




いつか宇宙船が身近な世の中になった頃、「はやぶさ」が世界初のリターン技術を確立した宇宙機として歴史の1ページに刻まれる事を願いながら。