1.8月10日(沖縄県宜野湾市、性別:男性、年齢:57歳、基礎疾患:心臓と腎臓に持病)
経緯:死亡した男性は8月10日に透析を受け、その際に微熱があったため簡易検査を受けた。結果はA型陰性で、解熱剤を処方された。12日にも透析を受けたがその際に39度まで熱が上がったため再検査するとA型陽性となった。タミフルが投与されたが全身に倦怠感や吐き気、筋肉痛があリ、同日に沖縄市内の病院に入院。14日、意識障害があり、翌日、心停止となった。心肺蘇生処置で一時は回復したが、その後、死亡した。男性は渡航歴がなく一緒に暮らす両親にも感染していなかった。感染源は不明。
2.8月18日(兵庫県神戸市、性別:男性、年齢:77歳、基礎疾患:糖尿病による腎不全および高血圧、肺気腫など)
経緯:男性は糖尿病による腎不全のために週に3回透析を受けていた。16日に発熱があり、翌日に市内の病院を受診。肺炎の疑いがあると診断。インフルエンザ簡易検査は陰性だったが、再度検査を行うと陽性だった。発熱と呼吸困難状態が続き、18日になって容体が急変して死亡した。死亡後にウイルスの遺伝子検査を行ったところ新型インフルエンザに感染していた。
3.8月19日(愛知県名古屋市、性別:女性、年齢:80代、基礎疾患:多発性骨髄腫および心不全)
経緯:女性には多発性骨髄腫と心不全の基礎疾患があった。8月3日に救急外来を受診後に入院。39.5度の高熱に併せ咳がひどくなったために4人部屋から個室に移動。17日に簡易検査を行い、翌日には遺伝子検査によって新型インフルエンザの感染が確認された。19日に重症肺炎のため死亡した。
4.8月26日(愛知県名古屋市、性別:女性、年齢:74歳、基礎疾患:なし)
経緯:基礎疾患はないものの病院に長期入院していた。女性の死後に同室の他患者3人も新型インフルエンザに感染していることが確認されたため新型インフルエンザに感染していたと判断した。
5.8月27日(長野県長野市、性別:男性、年齢:30代、基礎疾患:慢性心不全)
経緯:慢性心不全の持病があり、長野市の病院で人口呼吸器を装着して治療中だったが、新型インフルエンザに感染し死亡した。
6.8月29日(鹿児島県枕崎市、性別:女性、年齢:60代、基礎疾患:転移がん)
経緯:女性は数年前に消化器がんの手術を受け、肺にも転移していた。27日に発熱があって自宅療養していたが、翌日になって容体が悪化したために病院に入院。インフルエンザの簡易検査では陰性だったが、その後の遺伝子検査で新型インフルエンザ感染が確認された。タミフル投与、人工呼吸器を装着して治療中だったが29日未明になって呼吸不全のため死亡した。
7.8月29日(兵庫県たつの市、性別:女性、年齢:30代、基礎疾患:てんかん)
経緯:女性は、てんかんの治療のために兵庫県たつの市の社会福祉施設に通っていた。8月27日に高熱と咳の症状を訴え、28日に医療機関でタミフルを投与された。その後、自宅に戻ったが29日に容体が急変し、姫路市内の病院に搬送されたが死亡。死亡後に遺伝子検査を行ったところ新型インフルエンザに感染していることが確認された。
8.8月31日(北海道稚内市、性別:女性、職業:保健師、年齢:40代、基礎疾患:高血圧症)
経緯:稚内保健所利尻支所に勤める40代の女性保健師は、8月21日に新型インフルエンザの集団感染が確認された利尻町の公立中学校で聞き取り調査を行った。聞き取り時には女性自身もマニュアル通りの感染防止を施したうえで聞き取り調査を行っていた。その後、女性は稚内市の病院でインフルエンザA型と診断された後、市内のホテルに宿泊。30日の午後、意識不明となって倒れている女性をホテルの従業員が発見し、駆けつけた医師によって女性の死亡が確認された。
9.9月2日(京都府、性別:男性、年齢:69歳、基礎疾患:肺気腫)
経緯:男性は肺気腫で8月21日に府内の病院に入院。その後、発熱、検査の結果、新型インフルエンザに感染していることが確認された。病院でタミフルが投与され、一時、熱が下がった。その後、別な病院に転院した後、再び発熱、翌日の9月1日に容体が急変しICUで治療したが死亡。
10.9月7日(宮城県、性別:男性、年齢:90代、基礎疾患:非結核性抗酸菌症“呼吸器疾患”)
経緯:2008年12月に非結核性抗酸菌症(結核菌の仲間による同様の感染症)と診断され、今年の7月になって入院。8月に発熱し、同3日の簡易検査でA型陽性と診断。7日になって持病が悪化して死亡。新型インフルエンザの疑い例。
11.9月2日(高知県高知市、性別:男性、年齢:70代、基礎疾患:慢性閉塞性肺疾患、糖尿病)
経緯:男性は持病の治療のため7月下旬から高知市内の病院に入院していた。新型インフルエンザの疑い例。
12.9月9日(大阪府、性別:男性、年齢:45歳、基礎疾患:なし)
経緯:男性は9月3日にのどの痛みと発熱を訴え、7日になって病院を受診。簡易検査でA型陽性だったためにタミフルを投与。その後自宅療養のため帰宅。8日には熱が下がり、翌日の9日になっても症状がなかった。しかし、同日昼に帰宅した家族が意識不明で倒れている男性を発見し、病院へ搬送されたが、1時間後には死亡が確認された。
13.9月11日(青森県、性別:男性、年齢:90代、基礎疾患:脳梗塞、肺炎)
経緯:男性は今年の1月に脳梗塞を発症。その後、寝たきりとなり、肺炎を繰り返し発症していた。9月に入ってから40度を超える発熱があったため簡易検査を行った。結果はA型陽性で、タミフルを投与された。その後、平熱に戻ったが10日の午後になって介護老人施設内で死亡した。
以下、次回に記録。