26日、新型インフルエンザに感染した名古屋市の女性(74歳)が亡くなりました。新型インフルエンザによる4人目の死亡者となります。女性には基礎疾患がなかったものの病院に長期入院しており、他の患者ら3人が感染しているのが確認されたため、新型インフルエンザによる死亡例と判断されたのです。


新型インフルエンザの猛威は止まりません。夏休み明けの学校での感染拡大が心配されます。


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新型インフルエンザの症状について「asahi.com」が沖縄県で感染入院していた7歳男児の母親にインタビューしていました。記事を参照し、症状について以下に抜粋してみました。


7月中旬、男児が頭痛を訴えた→平熱だったので仮病を疑った→翌日も頭痛を訴え咳が出始めた→熱は37度→近くの診療所へ行く→診察した医師は「1日様子を見よう」と言って帰宅させた→翌日も咳が止まらない男児は「胸が痛い」と訴えた→熱は38度→診療所に行くと低酸素状態と判明→総合病院へ→レントゲンで「大葉性肺炎」と判明→簡易検査でA型陽性反応→タミフルを投与→その日から1週間入院→精密検査で2日後に「新型インフルエンザ」と判明した。


母親は男児の看病のために仕事を休み、父親も1週間仕事を休みました。男児の弟も保育園通園を休ませました。男児が通う小学校からは「男児は小学校生徒の誰と接触したか」の問い合わせがありました。予防投与としてタミフルを一週間投与した家族にも男児宅の近所の人にも新型インフルエンザの症状が出ませんでした。


以上の経緯を見ると、男児が頭痛を訴えた時に家族は「平熱だったので仮病を疑った」と言っています。これが重要です。小学生でも成人の方でも「頭が痛い」と言うと、まずは「お前仮病じゃないのか?」と疑われるのが通常です。何度もこのブログでは同じことを書きますが、「仮病と勝手に判断して無理に登校、出社させるのは感染拡大の最大要因」なのです。時期が時期だけに仮病を疑ってはいけません。


ただし、子供の家族、または企業の社員が病状を訴える連絡をしてきた場合には強制的に「発熱外来のある診療所や病院に行きなさい」と学校や企業の責任として命ずるべきです。これはインフルエンザの病状を訴える方々も意識し、それなりの覚悟をするべきです。もしかしたら新型インフルエンザに感染しているかもしれないのですから周囲に感染を拡大させないようにきちんとマスクをして注意しながら発熱外来に向かうことです。


そしてできれば診察後に医師から診断書をもらうことも重要です。これは仮病だったのかどうかを確認するものではありません。誤解しないでください。診断書の提出によって学校や企業は生徒や社員が新型インフルエンザ感染の有無がわかり、対応ができるからです。


また、男児の両親と兄弟は、男児の看病と感染の疑いがあることから仕事と保育園への通園を休んでいます。父親は1週間会社を休んだと言っています。「未知のウイルスによる新型の病気」への対応は、これが当たり前なのです。学校を休ませることは大丈夫だと思いますが、あなたは会社を1週間も休むことができますか? あなたが単なる風邪だと勝手に解釈して、そのまま出社したらどうなると思いますか? あなたと接触した他の社員にも感染が広がってしまうのです。


あなたの無責任な行動によって他の社員(同僚や上司)が新型インフルエンザに感染し、その家族も感染、家族に高齢者や幼児がいて、その方たちが亡くなったら・・・あなたはどうするのですか? そうなればあなたは間接的な殺人者となるのです。


誰から感染したのか特定できないじゃないかというのは愚かな考えです。そういった考え方は自動車によるひき逃げと同じです。死亡した方が感染した日時や行動範囲を調べれば簡単に感染の元凶(表現が悪いですが・・・)が判明するからです。


従来のインフルエンザであれば医療機関は充分に対応できるので、生命を奪う確率は低いし、感染経路を辿ったりしませんが、新型インフルエンザであれば話は別です。国、または専門の機関が未知のウイルスの感染経路を調査するのは当然のことです。感染経路を確認すれば新型インフルエンザの元凶があなたであることがすぐに判明するのです。


インフルエンザ感染ですから、あなたが感染元であったとしても、殺人の罪で逮捕されたりはしませんが、あなたは精神的に耐えることができますか? 「お前が会社に出社しなければ、自分の家族は死なずに済んだのに」と感染させられた同僚から恨まれる・・・会社もあなたに冷たく接するようになる(こうあってはならないのですが)となれば、普通の神経の持ち主であれば誰しも耐えることはできないでしょうね。