昨日早朝に起きた「緊急地震速報の誤報」の原因は、「千葉県東方沖を震源とする地震」が起きた際に南房総市の地震計から過大なデータが送信されたものですが、気象庁は地震計のソフト改修ミスが原因だったと発表しました。
この地震計を設置した群馬県伊勢崎市の業者が、前日の24日に改修を実施したのですが、この際に震度情報送信ソフトだけでなく、緊急地震速報に関わるソフトも無断で改修。この改修過程でミスをしたために過大なデータが速報システムに送信されることになったというのです。
同社はこの改修について気象庁に報告せず、同庁でも気がつかなったものです。伊勢崎市の業者は他にも3カ所の地震計についても同様の改修をしていたようですが、誤報発覚後に、いずれも改修前の状態に戻したそうです。
伊勢崎市の業者は気象庁を訪問して謝罪、作業体制を見直すことを約束しました。気象庁は同社を改修業者として引き続き委託するということです。
この業者は深く反省し業務の見直しを図ることで許されましたが、精度が向上してきた緊急地震速報の信頼を失墜させた責任は大きいと思います。昨日の誤報によって緊急地震速報は信用できないということになれば、正確な報知があっても「また誤報だろう」と避難対処しない人々が危険に巻き込まれる可能性は高いと思います。
昨日の誤報は“地震が来ると言って来なかった”ものでしたが、これが逆に「大災害が起こるほどの大きな地震が来るのを報知しなかった」場合だったらどうだったでしょうか? 数秒でも危険を避けるチャンスがあるのとないのとでは大きく違います。
昨日の誤報はたまたま大きな事故や災害につながらなかっただけです。人々の命に関わる仕事をされる企業は、責任ある仕事をしなければなりません。伊勢崎市の業者は企業として信頼を失うところだったのです。運が良かったのと誤報後の迅速な対応が企業を救ったのです。
企業の事業継続とはこういったことも重要になるのです。