山口県の美祢市にある山口秋芳プラザホテルで大阪の高槻市立松原小学校の教諭や児童が一酸化炭素中毒の症状を訴え、うち一人が亡くなった事故が起こりました。原因は地下室に設置されているボイラーからの一酸化炭素が外部に排出されなかったことのようです。


一酸化炭素による事故は毎年起きています。風呂釜の不完全燃焼とかガス機器などの使用ミスや不完全な整備などというちょっとした油断や不注意によって死亡事故が起きているのです。


一酸化炭素は体内に酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンと強く結合するので、ヘモグロビンは酸素を運ばなくなってしまうのです。すると体内の酸素が少なくなり、中毒が引き起こすのだそうです。


ちなみに煙草の煙にも多量に一酸化炭素が含有しており、循環器系に大きな負担を及ぼすのだそうです。喫煙は体にいいことがないのですね。


一酸化炭素500ppmで症状が現れ、1500ppmで死亡するとされています。一酸化炭素の中毒を自覚するのは難しく、危険を察知できないまま死に至ることが多いそうです。軽症では頭痛、めまい、吐き気などの症状が出ますが、風邪の症状と似ており、対応が遅れてしまう例が多いといいます。高濃度の一酸化炭素を吸入した場合には自覚できないまま昏睡に陥って死に至るということです。


治療は酸素吸入です。酸素を吸入しても呼吸が不十分な場合には高圧タンク内で高圧酸素の治療が必要になります。また、脂肪組織や脳細胞に蓄積されるために、酸素による一酸化炭素の洗い出しは数十日を必要とするそうです。後遺症は高次機能障害、パーキンソニズム(神経疾患)、意識障害などがあります。


国民生活センター  さんでは、一酸化炭素中毒による事故例を挙げています。ご参照ください。


参考までに、意外な事故として、ドライアイスによる二酸化炭素中毒というのもありますから注意してください。最近でもドライアイス貯蔵庫で戸を密閉して作業していた作業員が中毒を起こして意識障害を起こした事例もあります。


そういえばドライアイスをベッドの下に仕掛けて密室殺人を行うトリックを施した海外の推理小説がありましたね。確か・・・ディスクスン・カーだったと思います。二酸化炭素といえば、「鳥インフルエンザ」に感染した鳥の処分に二酸化炭素を使用して安楽死させた事例もあります。


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