父の大腸がんの経過の診察日だった。

 

昨年の9月にステージ3で手術を受けて

現在は錠剤の抗がん剤を3週間クールで飲み

経過観察。

 

昨年までは診察に付き添っていたけど

今年になり、長男の受験で私に父を見る余裕がなくて

診察には一人で行ってもらっている。

 

父自身も、「付き添いは必要ない」と言っていたけど

本当は抗がん剤飲んで一人暮らしで

不安もあるだろうな・・・。

 

週2回のヘルパーさんは掃除のみ頼んでいるみたいだし

料理洗濯は自分でしているし

シルバー人材センターの仕事もしたり

あまり手のかからない父だけど・・・。

 

大腸がんは父の妹が30代で患って亡くなって

父の母は胃がんで50代で亡くなっていて

消化器系の疾患がある家系でもあるけど

父は81で患ったから

これはもう老化現象であるともいえるけど・・・。

 

普段から歩いて体力作りをしていたせいか

術後の回復も早く

抗がん剤は飲みたくなかったようだけど

医者の言うことをとりあえず聞いているみたい。

 

手術で腫瘍部分は切除出来たけど

リンパにいくつか転移したのは除けたけど

肝臓にうっすら見える影があって

それが再発につながらないように

抗がん剤を飲むことになって

でも、比較的弱い薬なのか

父には副作用は全くないみたい。

 

退院してすぐに、温泉に毎日通って

食事も気を付けて

再発をしないようにしているけど

それでももう、82歳。

母が亡くなって2年。

一人暮らしは慣れただろうけど・・・。

 

私の習い事の先生で

60代で大腸がんになった女性がいて

健康そのものの生活をしていたけど

とにかく仕事が忙しい人で

加えて、病院嫌いで

健康診断を受けてなかったそうで・・・。

 

それは父と同じなんだけど

痛みがあって、病院に行ったときには

手術が出来る状況ではなかったみたいで

化学療法治療で昨年の秋から治療している。

 

調子が悪いと感じたのは春ぐらいでも

だましだまし

自分は大丈夫と思ってすぐに病院に行かなかったみたい。

 

手術が出来ない大腸がんは

抗がん剤でがんを小さくする方向で治療をするのだろうけど

少し良くなると、普通に仕事をして

また化学療法をしての繰り返しで

 

今年になり、抗がん剤の内容が変わったのか

鎖骨にポートを作り、治療になったようで

それでも、体調がいい時は普通に仕事していて。

 

「がんも小さくなってきた!」よと、希望を持っていたので

手術しないで大腸がんを治す方法があるのかなって思ったけど

 

やはり、また入院になった。

鼻からの管と、ポートからの化学療法で

一週間ほど入院と言っていたけど・・・。

 

少し良くなると、もう大丈夫と仕事するもんだから

なんども繰り返す入院。

 

でも、今は化学療法でバランスを取り

治療しながら仕事をすることが主流となり

ガンになっても、なるべく普通の生活を送るような

そんな希望をもっているようで・・・。

 

でも、もともとの大腸に出来たがんを

手術できない時点で

もう、延命治療になるのかな・・・。

 

なんとなく、私は直接話が出来ないまま

彼女も、私の周りで実母や義母の事

父のがんの事などあるから

私を大変と思って、話してこないのもあるのかな。

 

彼女はとてもモテて

離婚して15年ほどたつけど

多分、男性が次々寄ってきたと思う。

 

それでも再婚はしないまま

仕事に邁進して

彼女は彼女なりに、濃い人生なんだと思う。

 

2人の子供は自立して

自分の力で生きて行けるようになったら

もう、自分の人生をじっくりと楽しんでいこうと

思っているのか

自分の病気をSNSで公表している。

 

最近は、病気をSNSで公表する人は

有名人でも多くて

その中で、白血病から回復して五輪の切符を手に入れた

池江里佳子選手。

若い彼女が病気に打ち勝つなど

本当にすごいのに

そのさらに上のオリンピックに出るなんて!!

それに、アナウンサーの笠井さんも白血病から回復している。

 

大腸がんではあまり存じないけど、大島元監督など?

確か、小林麻央さんの病気の時にやりとりをしていて

勇気つけられたと話していたけど

麻央さんは先に行ってしまって・・・。

 

乳がんの治療でも、回復した人もいて

早いうちに切除できた場合は予後がいいようだな。

 

やはり、体の一部を切除するとなると

迷うに決まっているし

大腸がんとかは体の中だけど

乳がんとなると、女性にとっては大きな決断だもの・・・。

 

なぜあんな風に美しく聡明な方が

治療を自然治癒に任せようとしたのか・・・。

 

健康で生きていると自負すると

病気の治療のタイミングをあやまるのか。

 

知り合いの彼女も、絶対健康という生活で

それを象徴するような生き方で

ご両親も長生きで丈夫で

親を看取った経験がないまま60歳になり

 

その親を心配させながら、闘病することになった。

人生と言うのはわからない。

 

私の母は2度の胃がんを手術して

その前に、胆石の手術に、盲腸の手術にと

4回の手術を乗り越えて

不死鳥のように元気になったけど

多系統萎縮症という難病にはかなわなかった・・・。

 

この病気は、本当に原因が不明で

脳神経の信号がうまくつたわらなくなる

脳神経系の病気なんだけど

 

体の自由が奪われる運動障害が起こり

最後は呼吸をする筋肉が奪われる。

認知症を伴わないから、全部わかる中で

自分が動かなくなる現実を受け止めていくから

とても辛く残酷な病だと思う。

 

この病気を目の前で見ていくと

なぜ人は生まれて生きて、そして死んでいくのか

どんな風に生きても、死に方は選べないって本当に思った。

 

もしかして、ガンで亡くなった方が

母にとって見たらもっと楽だったのではないか・・・。

ガンの治療が飛躍的に良くなって今は

ガンでは死なないことも増えて

その代わり、別の病がやってきた。

 

母は結局は、あの世に引っ張られてしまった。

そして、父は残された。

 

ただそれだけのことで

母の生き方がどうだったとかじゃなく

ただ死んで、ただ生きている。

 

生きているうちに、病気になりたくないと

あれもこれも体に悪いからと選ぶこともしてもいいけど

 

知り合いの彼女も絶対に健康的に生きていたし

母だって、ちゃんと生きていた。

 

それでも、病気は誰かにはやってくる。

 

義母だって、体はどこも悪くないのに

認知症で今日も自分はまともと思う中で

周りを混乱させながら毎日を送っている。

 

本人は健康そのもので普通なのに

誰の事もわからない。

そんな自分を悲観もしないで今日も周りに合わせている。

それを義父はぷりぷりと怒りながら

ちゃんとそばにいて見ていて

 

義父だって、肺がんになったけど手術して回復して

首のヘルニアの手術をしたり

高血圧の治療をしていたりと

色々あるけど

認知症はないし仕事は出来ている。

 

健康で生きてきた義母が認知症になるなんて・・・。

義母の母も認知症で同じようにわかんなくなって

施設で亡くなったのだけど

誰の事もわからなくなった。

それが8年ほど前の出来事なのに

それから数年で娘である義母が認知症なんだもん・・・。

 

このまま考えると義母も10年は認知症のまま

元気にわからなくなっていくのかな。

 

一見見ると、いつもニコニコして

私を見ると、元気に手を振るのに

私が誰かわからない。

自分の息子も、娘もわからない。

 

この野菜はなんだろうとか

季節はなんだろうとか

全然わからない。

自分が誰なのかさえもわからない時があるけど

今日も元気に畑で仕事をしようとする。

 

なんだか不思議だな・・・。

 

人は必ず何かしら変化があり

その変化がどんなのかは選べないけど

今ある時間

 

今、今日この時間

 

これは今しかないってこと。

それだけはみんな平等なんだってこと。

 

この平等な時間に何をするか

どう生きるか。

 

ちなみに私はこれから

リラクゼーションマッサージに行き

疲れて冷えた体を癒してもらいに行ってきます。

 

お金をかけて癒しを買う。

それもまたいいのではないかな~