嬉しいことがありました!
夕方に、洗車に行こうと思い立ち
ガソリンスタンドへ
洗車機の前で次の順番を待っていると
スタンドの若い兄ちゃんが近づいてきて・・・
「プリペイドカードを持っていますか?」と聞いてきた。
洗車機のプリカは持っていたけど
どうやらプリカが廃止されることになったらしく
現金オンリーになる前に
今なら安くプリカが買えるという説明を
たどたどしくしていました。
あ~営業ね。上に売って来いと言われたんだね。
いつもなら、いりませんよ。とあっさり言いそうな内容ですが
マスクをした若い兄ちゃんが
自分の息子ぐらいかなぁと思う年ごろで
「買ってもらえませんか・・・」とチワワの子犬のような目で
訴えかけてくるので
小さな営業に協力してあげようかと母親気分になり
「いいよ。買うよ」
と気前よく買いました。
まぁ、3000円が2000円になり
さらに撥水洗車をサービスするというのだから
撥水800円の洗車もタダになるし、得よねって気分で。
「ありがとうございます!!今レシート持ってきます!!」
と、たたたた・・・とかけて行って
また走って戻ってきて
「洗車!どれにしますか!!」と
あ、撥水洗車でしょ?と言うと
「どれでもいいんです!!なんならこの一番いいのにしますか!?」
と、
なんと、2000円のガラスコート洗車を勧めてきました。
え?でもそんな高いのいいの??
「いいんです!プリカ買ってもらえたんでいいんです!!」
と言うので
お言葉に甘えて、一番いい洗車をしてもらうことに。
へ~初めてだよ!一番いいのなんて
ラッキ~と言うと、
兄ちゃんも、こちらこそありがたいです!!といい
頭を下げました。
そんなに営業大変なのねと
窓を閉めてスタンバイしようとして
ふと、その兄ちゃんの名札を見ると・・・
見覚えのある名前が!!
私・「え?もしかしてタクヤくん??(仮名)」
え?え?と言う顔の兄ちゃん。
私・「あの、ココミちゃんのお兄ちゃん?(仮名)」
「あ、はい・・・えっと・・・」という兄ちゃんに
私・「私、〇〇(次男)のお母さんだよ!」
と言うと、
「あ・・。〇△(長男)のお母さん??」
と、長男の一個上の学年なので
長男の方がなじみのあるタクヤくんでした。
タクヤくんは、高校2年になる前に
学校が面白くないと退学して
そのままグレたのか、金髪ピアスタトゥーに
女と遊びまくってチャラ男になったと
噂に聞いていました。
ママ友仲間で仲良かったママの子で
保育園から中学校まで長男の一つ上の学年だったし
タクヤくんの妹は次男と同じ年で保育園から中学卒業まで一緒でした。
ママ友仲間の中でもそのママは一番優しくて
とてもいいお母さんで、子育てに対しても
愛情たっぷりで、ママ友仲間にも好かれていました。
ご主人も気さくな良い方で
本当にとても素敵なママなのです。
でも、息子が高校中退した後にグレてる荒れてると
次男経由の仲間関係で聞いていて・・・
その話を聞く少し前からタクヤくんのママは
学校行事で会っても、なぜかみんなと距離を取るようになり
みんなとあまり話さなくなったので
ママ友仲間の中では不思議に思っていました。
仕事忙しくて時間ないのかな?
痩せて来たし、体調悪いのかな?とか
思ってはいても、話す機会のないまま
体育祭や文化祭で見かけても
みんなのところには来ないで帰っていく。
距離が出来たなぁと思っていました。
でも、しばらくして中退の話しを聞いたので
息子の事で悩んでいたんだなということがわかりました。
でも、誰もそのことには触れないまま
次男の中学校の卒業式になり
そのまま話すことも会うこともなく過ぎていきました。
中退の話しを聞いて数か月後に
次男のママ友仲間から
「ねぇ・・・タクヤくんがやばいんだけど・・・」と
見せてもらった写真がありました。
Twitterに自分の写真を載せていたタクヤくん。
ママ友はフォローしていたようで
その中には、ロン毛をシルバーに染めて
耳だけじゃなく、顔にも体にもピアスをして
女の子といちゃついてる写真が・・・。
タクヤくんは中学の時はバスケ部で
足が速く、リレーの選手でした。
爽やかで明るい子で
中学の体育祭でも活躍して
タクヤくんのママは体育祭の時は
最前列に席を取り
いつも一生懸命応援していました。
中3の体育祭で、ママ友仲間といた時に
応援席の近くを通ったタクヤくんに
「タクヤくん!リレーがんばって~」と
ママ友たちと声援したときに、
「はい!がんばります!!」と可愛い笑顔で答えてくれて
ママにも嫌な態度もなく、じゃあね~と手を振って
爽やかに走っていきました。
とてもいい子だよね~ってみんなで言っても
タクヤくんのママは「そうなのよ♡」と素直に答えてました。
だから、そんなタクヤくんが
高校を1年で退学して
そのまま転落していく様を、SNSに公表しながら見せていて
周りは知っているけど
ママ本人には誰も言えず・・・という状況。
いったい何があってそんな風になったのか。
同じ年ごろの子を持つママたちは
胸が痛い気持ちでいたのです。
その後も、駅で見かけたタクヤくんに
風貌がヤバくて声がかけれなかったと
うちの娘が言っていた。とか
ヤバい人たちと関わっているらしいとか
そんな噂を聞きながら、日々は過ぎ。
そのうちに、風化したように誰も何も言わなくなりました。
このご時世に、高校も卒業できず
姿かたちも個性的になり
こんな田舎でどうしていくのだろう。
あんなにいい子で、愛情もちゃんとあったであろう家の子が
なぜそんな風になるのか。
ある人は、表面的なことからは家庭内の事なんで
わからないよ。本当は家では冷たかったんじゃない?
ある人は、本人があまりにも弱かったんだよ。
愛情じゃなくて、溺愛していたからそうなったんじゃない?
とか、
今でいうSNSの誹謗中傷のように
好き勝手な憶測がありました。
でも、それもそのうちに忘れていく。
みんな自分の事に目を向けていくから。
私も記憶の奥にしまっていた。
タクヤくんが16~17歳で高校を中退して
それから4年。
もう、誰も噂をしなくなる前に
ママ友と集まることがほとんどなくなったから
話す機会もなかったのです。
今まで知り合ったママ友とは
スーパーでたまにばったり会って
「今度ランチしようね!」との社交辞令で
ランチはしないまま日々が過ぎる。
子供を通じで知り合ったママ友にはよくあります。
進学した高校の違いや
部活の違い
高校卒業後の進路の違い
色々なことで話題が合わなくなります。
共通の話題がないと何を話したらいいのか
ママ友から、スーパーで会う顔見知り
程度になるのもほとんどです。
ずっと友達のママ友はほんの少しになります。
だから、ママ友が必要ないかと言えば
私は絶対にママ友は必要と思いますけど。
さて、久しぶりに会ったタクヤくん。
Twitterをママ友に見せてもらった風貌とは
変わっていました。
少し茶髪の髪にゆるいパーマをかけられていて
顔は日焼けして、
チャラ男がまだ抜けきれない
今どきの兄ちゃんて感じでした。
マスクしているので、お互い気が付かなかったね。と話して、
「いつからここで働いてるの?」と聞くと
4か月前に、地元に帰ってきてからと言いました。
県外で仕事をしていたけど
コロナの影響で仕事が出来なくなり
それで地元に帰ってきてスタンドで働き始めたそうです。
そのスタンドには、よく地元中学出身の男の子が
バイトしています。
前も、知り合いの息子くんが働いていました。
地元なので、自転車で通勤できる距離なのでしょう。
中学卒業してから、タクヤくんを見かけてなかったので
ハタチになったであろうタクヤくんに
「大きくなったね!」と言う私・・・おばちゃんあるあるですね!
その後、一番いい洗車をしてから
スタンドを後にしました。
遠目に、頑張って仕事してるタクヤくんには
声をかけずに。
帰り道、
すごくうれしくなりました。
よかったね!よかったね!!と思いながら。
何が良かったのかと言うと、わからないけど
中学の頃のタクヤくんと変わらず
感じのいい子だったんです。
だから、必要はないけどプリカを買ったんです。
一生懸命な子に優しい私。
タクヤくんに
一生懸命働けるチカラがあるなら大丈夫じゃん!!
と、思いました。
タクヤくんのママに久しぶりにLINEしようかな?
他のママ友にも教えようかな?
とか、少しよぎったけど
やめました。
タクヤくんが自然にいればいい事だと思ったのです。
いつか、他のママ友も知ることになるかもだし
知っているかもだけど
その子ががんばっているならそれでいいじゃん。
と、思いました。
家に帰ってきて
次男に話しました。
次男はタクヤくんが中退して荒れているのを聞いていたので
「え!そうなの!働いてるの!すごいね~」と言ってました。
まだ、我が家は誰も子供が働いていない
予備校生と高校生なので
保育園から知っている先輩が働いているということに
素直にすごいと思ったみたいです。
スタンドに兄ちゃんが営業してきた
プリカを安く買えたこと、洗車が一番いいのをサービスしてくれたこと
そして、その兄ちゃんがタクヤくんだったこと。
次男に準だって話して
タクヤくんだったと言うことでビックリしていました。
その後には、夫にも話しました。
夫も、ママ友と面識があって
その後ぐれちゃった話もしていたので
夫もびっくりしていましたが
「がんばってるならよかったね!」と
私の喜びに共感していました。
私たち夫婦も
長男が道を外れかけた経験をしているので
子を持つ親の悩みはわかります。
どんなに愛情をかけて育てたつもりでも
あるとき、ふとした拍子に階段を踏み外す。
そして、転げ落ちる。
そこから這い上がるためには
親は何が出来るのか。
親の何がいけなかったのか。
本当に悩みます。
まさか。と言うことは突然起きるわけではなく
前兆はあります。
あるけど、
それを親のエゴや過信で
「うちの子に限って大丈夫」と
思ってしまうのです。
転げた場所に親も転げるか
その場所に手を思いきり伸ばしてはいあげるか
上から戻って来いと叫ぶか
親のやり方はそれぞれですが
私自身は、転げた場所に自分が歩いて行って
同じ目線に立って、
あの場所に戻ろうか、それとも違う階段を登ろうかと
親子で話し合ったと思います。
まだ、解決しきれていないおりのようなものがありますが・・・
それでも、這い上がって来た息子に
もう転げるなと言い続けています。
私は本当に愛情を注いでいたか?と問われたら
愛情と思い込んでいただけだということに
気が付きました。
本当の愛情ってなんなのか
今も自問自答しながら
子供の今と未来に目を向けています。
私も夫も同じように親に迷惑をかけながら成長したので
親と言う仕事は、本当に大変です。
でも、子供の成長は時に親の想像を超えてきます。
誰に出会うか、何を見るか。
そこで気付けるチカラがあるか。
子供も自分の世界で生きているのだな。
タクヤくんに会って思ったのは
人の性格はそんなに変わらないんだな~ということ。
中学の時の人懐っこい感じは
少し風貌が変わってもそのままでした。
タクヤくんは、見た目はかなりいじった時期はあったけど
多分、悪いことはしなかったんだろうな。
煙草や酒はあったかもだけど
他人に迷惑をかけることは。
やはり、ママ友はちゃんと愛情をかけていたんだと思いました。
一時的な思春期の熱病みたいな。
そんな年頃がタクヤくんを連れて行こうとしたけど。
結局、高校を辞めてしまったけど・・
そんな時期が大きく影響する子もいれば
するすると過ぎていく子もいて
何が本当に大事なのか。
人の人生において
どういったことが大事なのか。
色々考えながら
やっぱり人は成長するんだな
と思いました。
どの子もちゃんと自分の道を見つけて
歩めることが。