お母さんが亡くなった。

 

その日の昼は、個室に移ったお母さんは目を開けず、

看護師さんが酸素マスクを、鼻のチューブに交換していた。

 

「口が空きにくくなったので、鼻からに変えました」

 

そうなんですね。と、ふと尿の袋を見ると、

赤黒くなったおしっこが溜まっていた。

 

もう、内臓が無理なのかもしれない・・・。

 

その前日、久しぶりに家族4人で病室を訪れた。

前日に個室に移すと聞いて、

もう、あと数日ですと、主治医が言った。

それからの個室だった。

前日の大部屋の時も、私一人で行ったけど、

目を開けることなく、ずっと「うーうー」と言い続けているから、

看護師さんに伝えると、

「たぶん、苦しいのだと思うけど、伝え方がそうなるのかもしれません。

どこか痛みがあるのかもしれない・・」

そう言っていて、その夜に

酸素量が体に負担をかけているようだと主治医の指示で、

酸素量が三分の一の量に変えた。

 

その前から、点滴の量も減らしていた。

1月15日から、食事が全くとれなくなり、

それから2か月以上。点滴のみでつないでいた。