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フレデリック・テイラーの「科学的管理法」のブックレビュー第2弾です。




何のための管理?


誰だって他人に管理されるのは、気分の良いものではありませんよね。




管理者の立場になると、なぜか、この気持を忘れてしまいがちなのです。

「管理者の仕事は、会社を、労働環境を、管理することだから」という理由で。




でも、働き手の立場に立って考えてみてください。 管理者が自分の仕事をするために、目的もわからず働き手の行動を指図されたり、制限されたりしたら、 たまりません。




テイラーも、自分の提唱する「科学的管理法」の導入を検討する際には、是非、マネジメントの目的を忘れないでもらいたい、と言っています。




テイラーの考えたマネジメントの目的は、次の2つです。


 働き手に「最大限の豊かさ」を届けること


 雇用主に「限りない繁栄」をもたらすこと




この目的を意識せず、メカニズムだけを取り入れようとしても成果はない、と警告しています。




職場の改革を行うときは焦らず少しずつ


従業員の作業効率をアップさせようとして、仕事のやり方を変革する際、全社員、あるいは部署の全員一斉に新しいやり方をさせること、ありませんか




日本人の従業員はおとなしく従順なので、一応取り組んでくれますが、各自の気持ちに落としこんでいないと、改革は大抵、失敗するか、思ったほどの効果をあげられません。




テイラーは、働き手の考えや発想を改めるには、じっくり時間をかけなくてはならない、と言います。




初めはゆっくりすぎるほど時間をかけて、まずは一人を対象とします。




その最初の一人が、新しい仕事のやり方を、自分にとって有益なものだと感じるまでは、他の人には進めません。




一人ひとりの意識を、無理なく、じっくりと変えていき、




職場全体の4分の1から3分の1の働き手が、新しい仕事のやり方を自分のものにできたら、




それ以降は一気に改革を進めることができます。




なぜなら、この時期になると、新しいやり方のメリットが対象者全員に伝わっており、まだそれに取り組んでいない働き手も、やってみたくなっているからです。




このように、働き手の仕事のやり方を変えて作業効率をあげるときは、働き手がメリットを感じられるよう、じっくりと進めていきます。




時間をかけない早急な変革はどうして失敗するのか


スピード重視の時代と言われていますが、従業員の意識はそんなに急には変えることはできません。




作業効率をあげて、今までよりも多くの仕事量をこなすということは、働き手の負担を増やすだけになりやすいです。




作業効率の向上が、テイラーの言うマネジメントの目的である、「働き手に最大限の豊かさをもたらすもの」でなければ、働き手からの反発を招きます。




作業効率の向上が、働き手にとって有益なものだと感じてもらうには、時間がかかるのです。




また、急激な改革の実行は、マネージメントする側の準備不足も招きます。




マネージメントする側が、新しい仕事のやり方、導入の仕方を熟知している必要があります。




準備不足のまま改革を行うと、働き手の統率ができず、教育に不慣れなため、現場に混乱を生じさせます。



職場の仕事のやり方を変えるときには、焦らず、じっくり、ゆっくり、進めましょう。

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