県内の犬猫殺処分 18年で9割減
飼い主の都合で引き取られたり保護されたりした後、新たな飼い主が見つからないまま殺処分された犬や猫が、大分県内では20年ほど前に比べて9割以上減っていることが、県のまとめでわかった。この世に生まれた「命」を大切にして「殺処分ゼロ」をめざそうと、行政がボランティア団体などと取り組んできた結果が出ているとみられる。20日から動物愛護週間。
県のまとめでは、2022年度に殺処分された猫は457匹、犬は77匹だった。割合としては猫が多く、85%以上を占める。
おおいた動物愛護センター(大分市廻栖野)などがさまざまな事情で引き取った犬や猫のうち、処分された割合を示す「処分率」は、同年度の猫858匹の53・3%、犬389匹の19・8%にあたる。
10年前の12年度は猫2666匹、犬724匹を殺処分しており、処分率は猫が96・1%。犬が51・4%で、処分率を22年度と比べても大幅に減ったことがわかる。
さらに8年前の04年度を見ると、犬が3120匹、猫が2529匹殺処分されており、犬の方が多かった。殺処分の合計は5649匹に上り、処分率は犬猫とも9割前後だった。
同センターによると、犬の引き取り数が減った背景には、放し飼いを禁じた動物愛護管理条例の存在や飼い主のマナー向上などが考えられるという。一方で猫については近年、野良猫が増えないようにするため、地域猫活動をしている団体が世話をしている猫には無料で不妊・去勢手術をする「さくら猫プロジェクト」の成果が出ているという。20年度は569匹、21年度は808匹、22年度は1377匹に手術をした。
ただ、近年気になるのが「多頭飼育の崩壊」といわれる例だ。県内でも今年に入って、たくさんの猫を飼っていた高齢の女性が入院することになり、女性の親族も手に負えなくなったため、引き取りを求めてきた例があったという。センターは何度かに分けて引き取らざるを得なくなった。同センターはこうした例について「独居など、高齢化社会も影響している」とみている。
おおいた動物愛護センターの金城巳代志所長(獣医師) 猫はえさが十分にあると、1匹の母親から1年で約80匹に増える可能性があり、無責任なえさやりが生む結果について考えてほしい。「多頭飼育の崩壊」といわれる例も近年よく聞くようになり、不妊・去勢手術をして、増やさず室内飼いをしてもらうことが大事だ。殺処分はできればやりたくない。ゼロにはならないかもしれなくても、限りなくゼロに近づけたい。(奥正光)
