I・DE・A「MELLOW」「beat haze odyssey」

 

はい、以前、テキストサイトでUPしてた氷室のアルバムレビューの復活企画、今回は標記の3タイトルです。

軽く推敲、加筆修正はやっているとはいえ、いずれも10年以上前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。

 

※ブログの初出は2021年2月7日。上の「10年以上前」というのは、「ブログ初出からさらに」ということになります。

 

 

I・DE・A(1997.12.10)

 

収録曲

1.RE-BORN

2.SWEET MOTION

3.FLOWER DIMENSION

4.堕天使

5.NATIVE STRANGER

6.LOST WEEKEND

7.NO MORE FICTION

8.DRIVE

9.HEAT

10.DISTANCE

 

Songs written by――1.3.5.8.9.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、2.GORO MATSUI(word)・STEVE STEVENS & DONNIE VIE(music)、4.TAKASHI MATSUMOTO(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、6.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO & STEVE STEVENS(music)、7.KYOSUKE HIMURO(word)・KYOSUKE HIMURO & STEVE STEVENS(music)、10.KYOSUKE HIMURO & GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

 

じつは、「ソロ9年目にして、初めて“傑作”と呼べるアルバム」といえる作品だと思います。

いま思えば、オレの中で「氷室京介がBOφWYを超えた」のは、このアルバムがきっかけだったと思います(まあ、あくまで「オレの中で」ですが)。

このアルバムからですかね。「ビート系はよりハードに、とくにギターに厚みを持たせる」「バラード系はよりメロディアスかつスローテンポに」といった具合に、二極化したうえで、それぞれを昇華させていったのは。

まあ、バラードは中期辺りからその傾向が見られたんですが、ビート系の昇華については、このアルバムからスティーブ=スティーブンスというギタリストと組むようになったためでしょうね。

やっぱヒムロックのプロデュースは、ヒムロック自身か、もしくは、BOφWYのころから彼のキャラクターをよく知っている佐久間正英(故人ですが)か、あるいは、スティーブのような(海外の)ギタリストが合ってると思います。

ともかく、ビート系の曲がよりハードになった、というか「ギターがさらに前面に出てくるようになった」せいか、中期におけるそれらが「スピード重視ではあるけど、どっか微妙にペース配分も考えた中距離走」になっていたのとは異なり、初期の「とことん疾走感に溢れた短距離走」に回帰してくれたような気がしたため、個人的にはうれしかったですね。

そのうえで、よりハードに、よりギター・サウンド重視になったから、めちゃめちゃカッコよく感じましたね。バラードは、はっきりいって「ヴォーカルのもの」ってトコあるけど、ビート系はやっぱ「ヴォーカルとギターのためのもの」でしょ(笑)。

で、その傾向は、ソロ初期や中期はもちろん、BOφWYのときよりも顕著になってたからね。まあ、ホントは、それぞれの時代背景とかを考えたら一概には比べられないんだけど、やっぱ「このアルバムで、ようやくBOφWYから卒業できました」っていう、私みたいな氷室ファン、結構多いんじゃないですかね?

それくらい、このアルバムは、「中期以降は課題といえたビート系の曲に、期待以上の答えを出してくれた」といったことがいえる名盤だと思います。

ヴォーカル部分はじつはミディアム・テンポなんだけど、アレンジによって「ギターには“疾走感”と“厚み”を出している」といえる「RE-BORN」といい、「スローテンポとアップテンポが見事に融合した」といえる「SWEET MOTION」といい、そして、「おもいっきりハードな曲調に、内省的かつスピリトゥアルな歌詞を乗せた、いわば“大人のアウトロー・ソング”」といえるであろう「NATIVE STRANGER」「LOST WEEKEND」「DRIVE」といい、ビート系といえそうな曲はどれも大好きですね。

この中でもとくに「NATIVE STRANGER」は、「完全氷室作曲作品」(じつはヒムロックは、さほど多くはないとはいえ、曲についても『共作』があったりする。『LOST WEEKEND』なんかもスティーブとの共作)においては、未だに「最高峰」だと思ってます、個人的には。次点で、サマゲやITNや「Rock’n’Roll Suicide」? (ANGELは別格ね/笑)

っていうか、このNATIVEも、これまで何回聴いただろ? ベスト盤にもライブ盤にも入りまくってるし(笑)、ライブでも定番なんで、あるいは「ANGELの次に、人生の中で数多く聴いてる曲」かも(『ANGEL、サマゲの次』か?/笑)。

それでも「飽き」がこないんだから、やっぱ、かなり好き、というか「ツボ」なんだろうね、オレにとっては。

で、以前は「ビート系が優れている分、バラード系とミディアム系がちょっと弱いかなぁ・・・?」なんて思ってましたが、こっちも年齢を重ねるにつれ、普通に好きになってますね。

「堕天使」は、以前は苦手だったけど、やっぱ名曲ですよね。

また、ミディアム系も、いかにも「氷室的ポップ」な「HEAT」は元々好きでしたが、苦手だった「NO MORE FICTION」なんかも、年々、その意識は消えていきましたね。

ただ、「弱い」と思っていたバラード系の中でも、ラストの「DISTANCE」は別で、最初から好きでしたね。

 

 

 

 

 

「こういう『ロック調バラード』『ミディアム・バラード』書かせたら、そして歌わせたら、やっぱヒムロックの右に出る者はいない!」

 

 

 

――そう思える曲で締めくくってくれているのも、この作品の完成度の高さに貢献してると思います。

 

 

MELLOW(2000.2.23)

 

収録曲

1.SLEEPLESS NIGHT~眠れない夜のために~

2.永遠~Eternity~(album mix)

3.Still The One

4.Believe

5.Silent Blue(album mix)

6.So Far So Close

7.ダイヤモンド・ダスト

8.Chaos

9.Jive!

10.brining da noise

 

Songs written by――1.2.5.7.10.YUKINOJO MORI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、3.6.8.GORO MATSUI & KYOSUKE HIMURO(word)・KYOSUKE HIMURO(music)、4.9.GORO MATSUI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

 

前作とは打って変わって、メロディアスなバラード・アルバムです。というより、「ミディアムナンバーの多いアルバム」というべきかな。

ギターは引き続き、スティーブなんですよね。ギタリストである彼としては、前作とは違い、ビート系が少なくなったアルバムって、どう思ったんですかね。まあ、ミディアムやバラードであっても、ギターサウンドといえる楽曲ばかりではありますが。

とはいえ、ビート系の曲もなくはないんですけどね。OPナンバーの「SLEEPLESS NIGHT」が該当します。

この曲、正直ね・・・最初は凡作かな、思ってました(笑)。それが、やはり年々、好きになってましたね。改めてPVを見たりすると、やっぱりカッコいい。

で、肝心のバラード系ですが、「名曲揃い」といえると思います。

いや、正直ね、買った当初は、あんまり好きな曲はなかったんですわ(笑)。「Believe」は当時から好きだったけど、ほかのバラードは・・・

「ダイヤモンド・ダスト」にしたって、その前に出てた、

 

 

 

 

 

オリジナルアルバム未収録曲の「炎の化石」っていうバラードに、あまりにはまってしまったせいか、

 

 

 

「それほど・・・」って感じだったし。

ただね、氷室の曲って、全体的に結構そういうトコがあるんだけど、何度か聴いてるうちに、段々と好きになっていくもんなのね。いつの間にか、不意に頭の中でメロディがよぎったり、あるいは口ずさんでたりする。

とくに、「Still The One」は、いまでは大好きといえる曲ですね。「永遠~Eternity~」もすっかり好きになっていったんで、このアルバムの最初の4曲の並び自体も好きになっちゃいました。まあ、「Silent Blue」「ダイヤモンド・ダスト」も好きになってましたけどね。

このアルバム、ほかに特筆すべきことは、オリジナル・アルバムにしては珍しく、「作詞・松井五郎」と「作詞・森雪之丞」が共存しているトコですかね。

いや、氷室の場合、歌詞についても(作詞家へ丸投げではなく)「テーマ出し」はやっているんですが、そこは職人肌のヒムロック。少しでも気に入らないと、相手が誰であろうとダメ出ししまくるそうです。

でも、松井五郎のほうも「実績のある作詞家」であることから、相応のプライドはあります。あまりに連発するヒムロックのダメ出しに、「なに書いても満足できないんじゃない?」みたいなことを口にし、これ以後しばらくは、氷室曲の作詞からは手を引いたようですね。

「松井作詞」と「雪之丞作詞」が共存しているのは、この辺りに理由があるのかと。ヒムロック自身も、雪之丞のことを「戦うロック詩人」「あの人は(オレの注文にも)決して逃げない」などと褒めることで、暗に松井を批判(氷室自身に自覚があろうとなかろうと)し、そのせいか、両者はしばらくの間、一緒に作品を手がけることがなくなります。

まあ、のちに和解したのか、「EASY LOVE」ってシングル以降は、再び松井五郎も作詞を手がけてます。

 

 

beat haze odyssey(2000.10.18)

 

収録曲

1.OUTSIDE BEAUTY

2.Girls Be Gromras

3.幻想と真実

4.PRESSURE

5.The Vacant World(Without Love)

6.Julia

7.ONE

 

All songs written by YUKINOJO MORI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

Exception:「ONE」=TAKASHI SORIMACHI(word)・KYOSUKE HIMURO(music)

 

このアルバムは「ボツ曲集」だそうです(笑)。

まあ、ポリドールが、放出した氷室京介による赤字を少しでも補填しようと、無理矢理出したのかもしれません。

たしかに、前作、前々作と比べると、あきらかにクオリティは劣ってます。

っていうか、たしかに、ヒムロックのやる気のなさが・・・(笑)

ただ、その割に、ライブでは定番になっている「Girls Be Gromras」や、あるいは「Julia」といった名バラードもあったりするんで、また、ほかの曲も“全体を通して聴く”と、とくに「駄作」とも思えないので、「ヒムロック、なにが気に入らないんだろ?」って疑問もなくはなかったりします。

とくに「Julia」は、「ババア受けしかしない」なんてケチをつけられることもありますが(そんくらい、メロディアスで、甘~いバラード/笑)、私は好きですね。

なんていうか、「“別れ”はたしかに自覚してんだけど、やっぱりどっかで、でも確実に未練が残ってる」「とはいえ、その未練を美麗な字句で飾り立てることで、“未練がましさ”を“自分の弱さ”と置き換え、聴き手の感動を呼び起こしている」――未練を素直に未練と表現しつつも、「弱さ」とも置き換えてる、ある意味、“意地っ張りなバラード”を歌わせたら、やっぱヒムロックの右に出る者はいないでしょう(笑)。

ってわけで、私の中では、このアルバムは、

 

 

 

 

 

鶏肋

 

 

 

っていえるアルバムだったりします(笑)。

なお、ラスト・ナンバーの「ONE」は、反町隆史に提供した曲で、歌詞は反町が書いてます。