平和 | 書道家 北村雲星の小ネタ集

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私は戦争は勿論、戦後すら知らない世代です。


私にとって戦争は知識だけのものであり、リアリティはほとんどありません。


幼少期よりとにかく平和教育を繰り返し受け、

『戦争=繰り返してはいけないもの』

『平和=維持しなければならないもの』

と散々刷り込まれて育ちました。


恐らく同世代はみんなそうでしょう。


正直、その手の教育はもう心の中で飽和状態。


地元に点在する平和モニュメントを見ても、もうウンザリ感しかありません。


大変申し訳なく思うのですが、正直、

『なんだかそれっぽく作られているなぁー……。はいはい、平和は大事大事』

ぐらいの感想です。


そんな私が広島の平和公園に興味を持つはずもなく……。


実際、広島の平和公園に行く気は更々ありませんでした。


どうせ広島の平和公園って言ったって、それっぽく作られているだけでしょ?

原爆ドームとか映像で見飽きているし。


とか。



平和公園に行ったのは……本当に偶然。


「熊野筆の専門店を見てみたい」

と訪問先の会社で尋ねたところ、

「平和公園のすぐ近くにあるみたい」

との事でしたので、通り道として平和公園を選んだんです。



会社の方に平和公園の真正面までクルマで送って貰い、普通の公園を通る気分で足を踏み入れました。


「よくあるモニュメント……」

と思いつつも、そのモニュメントの遥か向こう側に小さく見える原爆ドーム。


特に何の感情も抱いていないはずなのに、何故か息が詰まります。


モニュメントの脇を一歩一歩進む毎に、近づいてくる原爆ドーム。


映像では何度も目にしている、見飽きているはずのあの建物。


全身の肌が引き攣り、顔が硬直します。


本当に……何の感情も抱いていないはずなのに……何故か涙を堪えるので精一杯で。


引き寄せられるように、原爆ドームのすぐ近くまで。


全身の毛が逆立ち、足はガクガク。


自然と流れ出る涙。


間近で見る原爆ドームは……猛烈な破壊の痕を今に残す、押しつぶされそうな程に圧倒的な存在感でした。



原爆ドーム



私には霊感とか一切ありませんが……この場所には、多くの人々の悲しみと平和への祈りが、確かに刻まれているのだ、と実感致しました。


確かに……ここは世界遺産でした。



暫くの間、原爆ドームの対岸のベンチに座り、ドームを眺めながら平和について色々と考えてみました。


刷り込み教育を受けた人間としては、平和や戦争とは、本当に、ただ単に、

『戦争=繰り返してはいけないもの』

『平和=維持しなければならないもの』

という条件反射の様なステレオタイプの感覚でしかなかったと思います。


……でも改めて、しかしまだ一切答えは出ていませんが、自分なりに平和と戦争について真面目に考える機会を得ることが出来ました。


今後は自分なりに今の平和に貢献できる方法を探っていきたいです。




平和



平和公園に来た事は本当に偶然。


でも……本当は必然だったのかもしれません。






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