笑顔で見送るよ、「ありがとう」って!
製作発表に「なんじゃこりゃあ!」と叫んでから1年。
脚本家がしっかりした人だから大丈夫だろうと、
内容に関してはあまり心配していなかったんですが。
今までの平成ライダーの最終回は、「広げた大風呂敷をどう畳むのか」と
視聴者をハラハラさせてくれたものでした。
いっそあと1年やっちゃいなよ、と何度思ったことか。
でも電王は、放映中に色々なアクシデントに見舞われながらも、
最終回(終点)までキッチリ描かれた唯一の平成ライダーであった、と
言っても良いと思います。
細細した謎はともかく、とんでもないオチになったり、
うやむやになったりしないで終わったのですから。
※以下より最終回及び全体の感想につき、ネタバレしております。
散文の上長文です。
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時を駆ける能力があれば、失敗したら何度でもやり直せるんじゃないかと、
つい悪い方向へ考えてしまいます。
厳粛に時の運行を守るデンライナーに、それは許されません。
しかし、時間を我が物にしたい人物カイによって、時の運行が乱れます。
時間の管理者達に依頼され、まず桜井侑斗がライダーになった。
時間の流れに左右されない特異点であり、
また、有事の際の分岐点になる人物…
未来の自分の子供を守る為に。
そして、その分岐点の母になる婚約者の愛理さんも協力したんですね。
戦う為に、桜井さんは
「自分が存在したこと=人々に残るはずの自分の記憶」を犠牲にしたわけです。
カイは時間を手に納める為に、自分自身の記憶そのものを代価にした。
侑斗は自分の今までとこれからを、
未来の自分(桜井さん)に消費されることと引き換えに、
桜井さんがその後紡ぐはずだった未来を貰った…と考えてみました。
ハナさんの年齢が下がったということは、
父である桜井さんの存在が消滅するし、
侑斗が愛理さんと結ばれるまでに時間がかかる、ということですよね。
年齢が下がった分だけ時間がかかるということは…
何かまだ修正とか必要なのかなあ。
ロマンチックに考えるなら、侑斗と愛理さんが
お互いを好きになるまでの時間なのかな?
侑斗は今でも充分好きになってると思う。
「守りたいって思う」って言ってたし。
戦う事情を説明されて、彼女が未来の恋人だと知ってるはずなんですが…
まだ話していない事もあるんじゃないかって言ってたしなあ。
だから、桜井さんは若い自分に対して
「未来の為に必ず愛理を好きになれ」とは言っていないと思います。
予定されている恋愛なんて侑斗にとっては迷惑だろうし、
変にプレッシャーがかかるだけで戦いに支障を来たします。
それに、きっとふたりは違う形で出会っても恋に落ちたはず…
きっとそう遠くない未来、どこでどう愛を育むのか分からないですけど、
侑斗と愛理さんの間にハナさんが生まれてくるんですよね。
桜井さんには悪いけど、侑斗の方が心配だったから、
彼が幸せになってくれるのが嬉しいです。
結局同一人物なのですけど、思い入れの問題です(^^;
ゼロライナーが新居代わりなのかな?
あ、桜井さんの時間移動方法ってどうやってるのかな。
ゼロライナー共有?それとも自力??
公式HPまともに見てないからなあ…
そしてデンライナーに残ったハナさんが、どんどん逆に若返って行って、
やがてちゃんと生まれてくる…というのは少し妄想が過ぎますか(^^;
愛理さんの、ハナさんに対する優しい反応が
「単に優しい人」だけではなかったというのが、今思い起こすと何だか染みます。
特にコハナになってからのが顕著かなあ。
最終回近くに、落ち込んでるコハナがお店にやって来た話で、
コハナの背後に回って優しく肩に両手を置いて
慰めてくれるシーンにグッときましたから…。
そうそう、デネブも泣かせてくれました。
『侑斗へ、シイタケちゃんと食べて』って書置きが見えた途端、
ぶわっと涙が溢れました。
食べて、ってあたりがデネブらしいというか…オカンやなあ、と。
あんなに大嫌いな椎茸入ったご飯、
泣きながらガフガフ食べる侑斗が、
デネブも居ない、これからの長い長いゼロライナーでの時間を、
たったひとりで過ごすのかと思うと可哀想でした。
デネブが帰って来てくれた時は、侑斗と一緒にわあわあ泣きそうでしたよ。
将来、侑斗と愛理さんが結ばれる日が来たら…
今度はデネブが大泣きするんじゃないかしら?オカンだから(笑)。
あ、K産さんの『デネブ姑妄想』が面白かったなあ。
新婚家庭に尽くしまくる、嫁の愛理さんとの仲も良い姑になっていて、
赤ちゃんのハナさんの初めての言葉が「ママ」なのは良いとして、
次に「デネブ」だったら侑斗が相当凹むんではという…(爆笑)
わたしはその妄想かーなーり!気に入ったんですけど!( ´艸`)
そして、良太郎にとってハナさんは姪っ子だったわけですね。
記憶が消されている為、全く分からない状態とはいえ、
良太郎はハナさんに妙な親近感を持っていたなあ。
そういえば、何だかハナさんは最初から良太郎に親身だし、
言う事も素直に聞くし…
良太郎が良い人物なので、単純に好意を持ってるのかなーって思ってました。
イマジンに対しては結構乱暴なところが…
これは侑斗の血ですか(^^;
ハナさんといえば、途中で女優さんの体調不良による降板がとても残念でしたね。
良いキャラだっただけに、最終回で復活を願う声も多かったです。
でもきっと大きいままのハナさんでも、
同じような展開を経て最終回になったような気がします。
モモタロス達については、もう本当に良かったと思いました。
最高に運が悪い主人公の良太郎を、
最低の存在である筈のイマジン達が支える形になるのがまた魅力の一つだった。
カイの記憶でしか存在しない他のイマジンと違って、
モモ達は良太郎や侑斗の記憶に残るイマジンなので
存在する事がが出来た…ということですよね。
オーナーが言う「存在する事」の条件、
「ただ存在しているだけでは完全ではなく、
他者と自己に記憶されて初めて安定し完成する」という事…
良太郎もモモも、お互いを思いあっていた証拠に消えないで済んだわけです。
「さよならも言えなかった」と泣く良太郎の状態を見て、
穴から出るに出られなくなったモモ達を見つけて
「何してるの」とちょっと怒ったような無表情気味に言う良太郎が、
走って彼等に飛び込んでいく姿に涙が出ましたよ。
モモ達は、取りこぼした人達と同じ条件で
デンライナーに残る事になるんですかね。
そう、電王の良かったところは、
「ヒーローだからって全てを救えるわけじゃない」
ということもキッチリ描いてくれた事です。
時間から取り残された人の話の回では苦渋でいっぱいでしたけど、
もしこの話がなければただの面白いライダーだった、で終わると思います。
そして、努力しても叶わない事だってあるけど、
だからって頑張る事を諦めちゃダメだっていう
メッセージが必ずあったと思います。
今の時代に合った勧善懲悪のストーリーが、
大人も子供も惹き付けられたんでしょうね。
昔話がコンセプトだったので、それに相応しく
各話のラストにきちんと教訓が入っていたのも良かったですね。
タロス達があんなに受けたのは、
脚本・スーツアクター・声優による
三位一体の演技による賜物なのでしょう。
現場でのアドリブを逃さず盛り込んでくれたり、
デンライナーに居るだけの時も、
全然違う性格だからこその動きをちゃんと表現してくれたり、
無表情のガワの顔が生き生きとして見えるような声を出してくれたり…
やはり一番称賛すべきは脚本でしょうね。
良太郎とタロス達をはじめとした
目まぐるしい関係を細やかに描き出してくれ、
また、契約する人間側とイマジン側の性格も
それぞれ持たせてくれたエピソードの数々…
フォームチェンジや良太郎にとり憑いた状態の様子、とても楽しめました。
そして“決めゼリフ”も良かった。
「モノには名前が必要」という事を、
より強調してくれる結果になったと思います。
良太郎のネーミングセンスのなさも、インパクト大でしたね。
ラストシーンで、自転車を漕ぎながら現れた良太郎に
「大丈夫なのかこのまま走って!
また木の上に落ちたりしないだろうな!?」と心配しましたが…
よくよく思い返したら、第一話の登場シーンが自転車だったんですよね。
ああ、こんな引き方ってズルイよ~靖子ちゃん!!
彼女の書くラストって、消えた仲間が別の形で
主人公の周りに現れるというパターンがあるので、
電王だけはやめて欲しいなと思ってました。
そう、不満な点が一応あるんですが。
デンライナー私物化してるナオミちゃん!(笑)
もしかして真のオーナーは彼女なのでは?
気を利かせてキンとウラを迎えに行ってくれたのには一応礼を言っておく!
でもそれは良太郎の役だからー!!(笑)
それから、タロス達!
良ちゃんを何だと思ってるんだ!
勝手に身体に出入りするんじゃありません!!(爆)
これは劇場版の時も思った事なんですよね…
良太郎を入れ物として扱う事に凄く抵抗があったというか、
良太郎の意思にお構いなしなのが苦痛というか…
確かに憑依体が魅力あったので、
一概にイヤとは言えないんですが…
侑斗とデネブも揉めてたけど、
やっぱり自分の身体なんだから、
嫌な時はイヤって拒否しなさいよ良ちゃん。
ああ~でも当の良太郎が許してるから良いのか~!
んあ~!!(`Δ´)
そう、良太郎がとても良い子だったのが良かったなあ。
モモが悪い事をしたら叱る、皆が大事だから守る、
でも運がない(笑)。
ヒーローにはどこかに落ち・抜けがあるもんですけど、
良太郎は貧弱なのが欠点です。
でも、タロス達を支える為に体力作りをしたり、
消滅させるくらいなら一緒に戦わないって思ったり。
優しい、良い子でした。
とにかく、皆が別れに笑って手を振るような大団円で良かったです。
「また、未来で」って約束できる別れ方で本当に良かった。
侑斗とデネブの二人三脚も、もう暫く続くみたいだし、
本当に近い未来にまた会えるわけだし。
その時はまたデンライナーで皆が会いに来てくれるといいなあ。
ああ、本当に楽しい一年間でした。
素敵な時間をくれてありがとう、電王。