あの肉を求めて | Facing Forward

あの肉を求めて

子供の頃に見たアニメに出てきた料理を激しく記憶している人は多いと思う。

マンモスの肉やチーズオンザパン、ミートボール入スパゲティ、山盛りの白いご飯にメザシ、夢のようなデコレーションのケーキ…etc。

特に肉関係で心をわしづかみされたのが、“あの肉”としか呼び様がない形状の焼肉。

多分動物の足とか腕とか、そういう部位の骨付き肉。

外国ではどうか知らないが、日本じゃあフツーのスーパーに売ってない。せいぜい鳥の足で気分出して満足するしかなかった。


それが、あったんだね。てか作っちゃった人がいるんだね。

今回お邪魔した『暖・包(ヤンパオ) 』の店長さんは、グルメ情報誌京都版掲載の写真もさながら、毎日肉を食ってるのではと思うほど元気すぎて、着いていくのが大変なテンポの持ち主であった。

この店の情報は、ほぼ日参している料理ブログさんで得た。

“あの肉”関係の話で「こういうのがある」という書き込みを読者がしていた。


一つは、これも日参してるエキサイトコネタ に紹介されていた、食いちぎった時の歯形を再現したいのでソーセージで作られた“あの肉”。

そしてもう一つがこのお店であった。場所は京都市左京区、ランドマークは京都大学と信金。

大阪から行くわれわれは、叡山鉄道の一駅が勿体無くて出町柳から歩くことにしたのだが、昼間に強行軍だったので体力半減気味だった(^^;


夕方5時半に京阪出町柳駅で友人Tと合流。初めてこちら方面の京阪電車を使ったTは浮かれていた。

友人T「だって2階建ての電車だよ、テレビも付いてたよ!」

テツの人には色々コネタある京阪電車。

先週のひらパー行くのに乗ったばかりだったなと思い出しつつ、日が暮れて急に寒くなった夜道を歩き始めた。


予約者の名前 on the 暖・包の扉。  予約者の名前 on the 暖・包の扉


着いたのは6時10分前くらい。

ここ数年はチェーン店の居酒屋にしか行ってなかったので、お店は6時からでも早く着いてしまった客を中に入れてもらえると思っていたが、そんな待ち合いスペースがあるところではなかった。

お店のお姉さん「すみません、もうしばらくお待ちいただけますか~(@外で)」

気温はきっと6度くらいだ。さ、寒い。

店の外に長椅子があってそこに座って待ってくれと促される。

その間に学生風の男子が数名「うお、まだ開いてねえ!」とか何とか言いながら自転車でやって来た。

居酒屋に自転車?飲酒運転になるじゃないか。

相方E「しかも隣の病院用の駐輪場に停めてるし…」

暖包の威力を知らないわれわれには、この情況がまるで分かってなかった。

そう、ここは京都大学の真っただ中にある。男子率が物凄く高い近畿圏最高学府に通う若者達のパワーを知るのはもうすぐだった。


海老とえび煎の甘辛ソースサラダ♪  海老とえび煎の甘辛ソースサラダ♪


6時になって、ようやく中に入れてもらった。

お店のお姉さんと、店長さんの明るくも丁寧な御挨拶が響く。

「ありがとうござます、お待たせいたしました!」

われわれは1階の入り口近くのスペースに設えた4人掛けの簡易テーブル席に通された。

本来1階はカウンター席のみの筈であると案内にあったが、例外的に作ったのであろう。

小型冷蔵庫の上に台を載せただけなので安定に不安アリだがこれもまたよし。

飲み放題+おまかせ料理7品、そして“マンガ肉”セットを予約していたのだが、まず飲み物のオーダーがまた種類豊富で迷う迷う。

3人それぞれオーダーすると、店長さんが「辛いのは大丈夫ですか?」と聞いて来た。相方Eも友人Tも大好物だ。

苦手なものがあったらおっしゃって下さいねとも聞かれたが、得にないよねと確認してゴーサイン。

「ありがとうございます!沢山食べて下さいねぇ!!」と、最初の料理が出た。

熱々の揚げたて海老せんべいに、瑞々しい野菜と茹でた海老のタイ風甘辛ソースがかかった前菜(皿デカイ!)が出て来た。

われわれ「美味しい!」

初めの1品目でいきなりツボです。モノも言わずにがふがふ食べる。


本格的過ぎて何度もむせた  本格的過ぎて何度もむせた


2品目はトムヤムクンスープ。

「暖まって下さいねっ!!」と店長そしてお姉さんが出してくれたそれは、本格的で物凄く美味しく、具沢山であった。

相方E「タイで食べたのと同じくらい美味しいよ~」

わたしと相方Eは、縁あって南の島へ旅行する事がかつてあった。

事前調査のつもりで現地の料理になるべく近いものを国内(主に神戸)で食したが、日本ナイズに味付けされた料理にガッカリすることが多かった。

わたし「しかも安い」

単品料理のメニューがテーブル側の壁に貼ってあったのだが、どれもこれも安い。

トムヤムクンを食べようと思ったら、最低7~800円出さないと食べられないが、ここは500円程度だ。

嬉しくて嬉しくて、ガツガツ食べる。

3品目の“ベトナム風アサリ蒸し”に至っては、ご飯が欲しくなる美味しさ!

たまらず給仕してくれたお姉さんに「美味しいです」と言うと、お姉さんは声を張って「店長!アサリが美味しいってお言葉いただきましたァ!」と報告!

恥ずかしいけど楽しい。

店長さんの「ありがとうございます!!」がまた嬉しい。

気が着けば、カウンター席は、6時オープンと同時に雪崩れ込むようにやって来た男子学生達によって埋めつくされていた。


夜仕様の居酒屋にランチで使いそうな定食メニューがあるのがそもそも不思議だったのだが、客層を見れば頷ける。

ことごとく男子、男子男子!

おかずにご飯。そのご飯がハンパなくでかい。

更にでかいメニュー“マンガ盛り”が彼等の腹を充たす。

相方E「頭良い男の子って、良いねえ~( ̄¬ ̄)」

いつの間にか目線が青田買い系になっている相方E。

「ちょっとちょっと!」と突っ込む友人T。

昼間にこの辺を歩いた時も、いかにも「勉強してます」然とした男子達とすれ違ったな。

そんな彼等はここへ飲みに来るのではない。ご飯を食べに来るのである。

だから大量だし安いし、しかも美味しい。

店長さんと従業員が元気良く声掛けする理由もこの辺にあるのかなと思う。

店内には清清しいほどの若い空気があった。

友人T「あの若さが欲しい…っていうか、戻りて~~(泣)」

何人目かの男子が定食のごはんを“マンガ盛り”にしている様を、ご飯大好きTが恨めしそうに眺める。


あれから5品目あたりで、われわれの胃袋が悲鳴をあげ始めていた。

美味しいんだもん。美味しいけど量が多いんだもん。

飲み放題だけど、食べる方に集中したからそんなに飲んでない気もする(まあ他の人より飲んでると思いますが)。

あ、ドリンク追加する時の声掛けも楽しかったなあ…

「じゃんじゃん、じゃんじゃん!」「じゃんじゃん飲んで下さいねぇっ!」だし、

“マンガ盛り”はたしか「も~りもり、も~りもりっ!」だったかな。

とにかく明るくて楽しかったな。


た、楽しいんだけどね、お腹もういっぱいです店長…

ってちょっと、おねえさん何持って来てるの!サービス?

枝豆を春巻の皮で揚げたおつまみ…コース外の料理が来るなんて思っても見なかったよ!

定食以外の客だからなの?大サービスもいいところだよ!

もう全員がギブしかけていた頃、本日のメインがやって来た。

店長「ちょっと大きな“マンガ肉”、テーブルさんに参ります!」

おねえさんたち「はーい!!」


会いたかったよ、マンガ肉たん…  会いたかったよ、マンガ肉たん…


来た。“マンガ肉”だ。

先に単品で食べていた近くの席のアベックの普通サイズに比べて約2倍ってところか。

コースの場合、人数によってお肉の大きさを変えるらしい。

見かけが思ったより小さかったので安心したが、同時に“マンガ肉”ならもっと大きくあるべきじゃないのか…などと軽く失望したりもした。

人の思い入れって勝手なもんです(だいたい食べ切れないだろ)。

まずこの店を見つけた者ということで、わたしからかじらせていただくことになった…あむ。

火が通り易いように予め茹でた豚肉を骨に巻きつけてじゅわーっと焼いたようです。

お好みで塩か特製ソースをつけて召し上がって下さいと言われたのだが、何もつけずにいってしまってほんのり後悔。肉の味しかしないね(当然です)。

改めて塩をふって食べる。お腹いっぱいだけど美味しい。

好みとしては、味をつけて焼いて欲しかったかも…

でも“あの肉”時代に調味料があったかどうか…う~む、深い(そうなのかな)。

EもTもがぶがぶといったが、やはり侮っていた“マンガ肉”。

小さく見えたのは思い入れのためであり、やはりそれなりに量がある。

確実に食べ切るようにとEが肉を食べやすい大きさに解体し、塩をかけてくれた。


そもそもわれわれの食べるペースが速いのかもしれない。

出た皿は直ぐにカラにしてしまいたい欲求がある気がする。

しかし今日は強敵であった。

大皿小皿取り混ぜて全て美味しかったのがまた余計に悪い。

気が付けば3時間近く格闘していた。

飲み放題は2時間までだったが、料理が全部出切ってなかったし、サービスで30分延長してもらったけど足りなくて、また個別に飲物代払って飲んだ。

最後の一品がフォーだった。とてもあっさりして美味しかった。

あんだけ食べたのに入っていくんだもん。自分でもびっくりした。

そしてとりを飾るデザートがあった。パンナコッタだ。


このデザートもあの店長が作ってるのかしら  このデザートも店長が作っているのかしら


わたしにはシナモンと並んで苦手なものに、ココナッツミルクがある。

しかしこのパンナコッタにかかったココナッツミルクはしつこくなく、まぶしているといった感じが程よく風味を引き立てていて、実に美味しかった。


時間はとうに9時をまわり、もうすぐ10時になろうとしていた頃、ようやくミッションクリアとなった。

とてもとても楽しく、美味しいお店であった。

今回怪我のため参戦できなかった友人Yが気の毒だから、必ず誘ってまた来ようということになった。

さて、この店にはリピーター制度がある。組長と呼ばれるものだ。

スタンプカードのポイントによって景品がもらえる仕組み。面白いので作ってしまった。ま、確実にまた食べに来るしね。(^^;

付き合ってくれたEとTに感謝です。また行こうね!