『宿命』

-月読-

 

我、月の眷属なり。

 

故に満ち欠けに関係無く

力を行使する者なり。

 

我、常世のモノの言ノ葉を

紡ぐ者なり。

 

我、現のモノに

常世のモノの言ノ葉を伝える

者なり。

 

我、至る道へと

導く者なり。

 

我、独り悲しみを

噛み締める

者なり。

 

我、力を行使するが故に

理解される事なかれ。

 

それが我が座する力。

 

誰にも理解されなく

たった独りになろうとも

 

永久(とこしえ)に

背負うべき運命(さだめ)なり。

 

我、月の眷属なり。

 

今宵も迷える魂魄の

言ノ葉を

 

聴きとり伝え

紡ぐ事なり。

 

それが我に課せられた

果て無き『宿命』なりて・・・。