寄生獣 、ヒストリエ などで何度かこのブログにも名を連ねている、岩明均 の歴史漫画 雪の峠・剣の舞 です。
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「雪の峠」
常陸水戸の大名佐竹義宣は、関ヶ原の戦いにおいて、家臣の反対を押し切り、親交のあった石田光成率いる西軍へ付いた。
その協議の際、近習頭である渋江内膳は、東軍へついて勝利した場合における領土の無事に懸念を表明していた。義宣は内膳の意見を重視して、決定したのであった。
しかし、結果として西軍は敗北、勝者東軍の長、徳川家康より、出羽秋田への国替えを命ぜられる結果となった。
その2年後。
出羽の国における佐竹本城の建築場所について、再び義宣と内膳は、老練の家臣たちと意見が分かれる事となってしまう。
しかし、城主義宣側の分は悪かった。
先の、関が原の際の独断での失敗に加え、対する老臣側の要は、戦略家として名高い重臣梶原美濃守である。
嘗て、当時の武士たちの憧れ的存在であった上杉謙信と直に接し、目をかけられたこともあるという、類稀な人物でもあるのだ。
内膳の、今後は太平の世が続き、再び戦乱の世に向かうことはないとの予見に対し、未だ大阪にも豊臣が健在している以上、天下どう転ぶとも分からない事を懸念して強固な城造りを提案する美濃守との、威信をかけた争いが始まる。
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発行時期は、2001年となっていますので、寄生獣 、七夕の国 に続く時期でしょうか。
確かに、画の感じはその頃の画質です。
# て、まぁ、安定してた時期以降ですので、最近のとさして変わりませんがw
お話の方も、なんとなく日和見な主人公が、しかし鋭い目線で常識を覆すといった、岩明均 節が隅々まで浸透している感じで、なかなか良いです。
まず、序盤に、梶原美濃守の口から語られる、上杉謙信の決意の強さを示す苛烈なエピソードに、心をわし掴みされました。
以降の展開は、頭脳戦の趣が強いのですが、冒頭のインパクトがあってこそ、全体が生きてくるような感があります。
地図や距離感を含めた、多元的なものの見方は健在で、その手法が、後に続くヘウレーカ や、ヒストリエ と展開されているような気もします。
自ら遅筆だと宣言していますが、このクオリティなら満足です。
ちなみに、昨年、録画したDVDと小説で愉しんだ天地人 の時代ともシンクロしており、情景を思い浮かべるのにほとんど苦労もしませんでした。
# 共通して登場するのは、上杉謙信と徳川家康、本多佐渡守くらいですが。。。
また、この本には「雪の峠」のほか、「剣の舞」という、物語として関連のない2本の作品が収録されています。
「剣の舞」は、剣術が剣道に変わる時代の先駆けの頃の話で、ちょっと切ないような、涙を誘う物語です。
歴史好きの方、剣道好きの方、戦略家の方、漫画好きの方、城を作りたい方、充分に楽しめる作品と思います。
今日はここまで。
雪の峠・剣の舞 (アフタヌーンKCデラックス) [コミック]
岩明 均(著)
