# 前の記事 と同じような書き出しですが・・・
先に紹介した裁判長!桃太郎は「強盗致傷」です! の時に、買おうと思った本を三冊に絞った挙句、間もなく切り捨てられた1冊があった事を書きました。
その理由は、表紙の画が漫画チックすぎたこと(下記画像参照)と、本文のフォントが好みではなかったことから、急いで買うほど面白くもないかな、と判断してのことでした。
しかし、先日入手して読み出したところ、その判断基準が間違っていたことに気付きました。
切り捨てた本のタイトルは「時間島」。異色のホラーという謳い文句の作品でした。
##################################################################
本土から遠く離れた、無人の島「矢郷島」。
一キロ四方にも満たないこの島は、その面積のおよそ半分が金鉱山であった。
鉱山ではない部分には、当初、工員用に建てられた二階建ての飯場があり、それはやがて工員の増加と共に、その家族らも住めるような団地へと改築されることになる。それを中心に、病院、学校までが内包され、完全自給自足はできないまでも、ほぼ本土から隔離された生活空間を構築されていた。
そんな中、かつて坑道内にある池に落ちた工員の一人がそのまま行方不明となり、五年後に発見されたという事件があった。
彼は、五年前の格好のまま本土の海岸で発見され、その間の記憶が無かったという。
まるで、五年間タイムスリップしたかのように。
以来、その島は「時間島」と呼ばれるようになっていた。
やがて、金の枯渇と共に鉱山が閉ざされると、島の住民たちは本土へと移住をはじめ、90年代後半には無人島となったのである。
そして現代。廃墟を探訪する番組制作のため、アルバイトADの佐倉準は、ディレクターや出演者ら8人と共に、時間島に向っていた。
撮影開始前、会社支給の携帯電話を坑道内の池に落としてしまった佐倉は、数時間後、自分が所有する携帯に、池に落としたはずの携帯電話からのメールを受信する。
そのメールには、まるでミイラのように顔を包帯で巻き、右手のない、車椅子に乗った男の動画が添付されていた。
そのミイラ男は、動画の中で、こう口にした。
「島にいる者は皆殺される」
##################################################################
ホラーという謳い文句につられたのですが、その展開はミステリーの王道クローズドサークルに属するような、閉鎖空間での殺人事件を呈しており、といって、殺され方や死体の描写などがグロテスクだったり恐怖心を煽るような書き方は呈しておらず、ちょっと期待はずれな感がありました。
ではミステリーとしてはどうかというと、これも、なんとなくありきたりな展開で、むしろ、これをどう展開してゆくのかという、不安と期待が織り交ざった、妙な感覚に見舞われました。
ただ、やはりどこか異質な、なんというか違和感があり、ミステリーとして開き直って読むには抵抗がある、そんな感覚はありました。
そこで、私はちょっと勘違いしてしまったのです。
この作者は下手なんだ、と。
今考えると、思い上がりも甚だしいというのもありますが、それ以上に、作者の手に乗せられたのではないか、そんな感もあります。
思えばあれもこれも、と、処々にトラップが浮かんで出てきます。
途中途中に湧いた違和感を、構成の一部として考えれば、あるいは最後のオチに気づいたのかも知れません。
あ。。。なんか、読まれた方からネタバレと指摘されそうな文面になってきました。
酔っているからかもしれません。
# 余談ですが、最近、ほぼ毎晩、少量ながらも晩酌をしております。
# 記事が丁寧でなくなったとお嘆きの貴兄、げめんね。
いずれにせよ、この作者、椙本孝思 氏には、掌で踊らされました。
かく言う私も、上記のあらすじ紹介文(ちなみに、毎回##の間に書いているあらすじ紹介文も、本文は参考にしていますが、私のオリジナル文章です。アマゾン とかwiki をよく参照しますが、パクってはいませんよw)にも、ネタバレを恐れて、正直に書いていません。つまり、ワナを仕掛けていますので、その旨、予めご了承ください。
ま、たまにはバカ正直に騙されてみるのも、一興であります。
今日はここまで。
時間島 (アルファポリス文庫) [文庫]
椙本 孝思(著)