以前紹介した、宇宙兄弟 の続刊です。
第一巻、物語の冒頭に、UFOを見たことから二人で宇宙飛行士になろうと決めた兄弟、というエピソードから始まったものの、JAXA、NASA、ISS、コンステレーション計画、そしてドーハの悲劇など、実際にある団体や計画、事実を表現することで現実味を帯びた作品となっており、8巻の全般まで、近未来的なストーリ展開をみせていました。
しかし、8巻の終盤、冒頭のUFOの再出現を思わせる表現があり、トンデモ科学漫画になってしまうのか、と心配しておりました。
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ヒビトとダミアンが乗るバギーが、クレーターに落ちた。
日の当たらないクレーター。負傷に加え、宇宙服内の循環装置が故障してしまったダミアンの体温降下が始まっていた。
一方ヒビトは、酸素メインタンクが破裂し、予備タンクの残量は80分となってしまう。
最悪のケースを想定して、ヒューストンは落下現場へ、月面上の救助隊にバギーを向わせる。
そしてJAXAでは、ヒビトの行動を知り尽くした兄ムッタが、救助バギーの向う先の変更を依頼した。しかしそこは、ヒューストの指定したポイントから、20キロメートルも離れていた。
起こり得る最悪のシナリオのなか、なんとか生き延びる方法を模索し、実行するヒビトを、月面の救助隊、ヒューストンのNASA、日本のJAXAそしてムッタがサポートする。
しかし、無常にも酸素残量は一分を切り、絶望したヒビトは呟いた。。。
『悪い・・・・・・ムッちゃん』
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とりあえず、トンデモ展開は回避されw、未来予測的な運びとなり安心しました。
ただ逆に、途中の巻で、本当にありえそうな事故(未来の話なので当然架空ですが)で人が亡くなるといったシビアな面も見せていたため、死を予感させる8巻の終わりには、どんな展開が待っているのか気が気ではないくらい、9巻の発刊を待ちわびていました。
ビビトがどうなってしまうのか、都合よくもせず(かな?)、逃げずに、ハッキリと涙の(謎)決着をつけています。
# 前の記事で、新章へ突入なんて書いてしまいましたが、そう思っていた話はここで終わっていましたwww
そして、展開に不安はなくなったものの、早く続きが読みたい。
そんな巻でした。
ちなみに、これまで史実(ってほどのことでもないですがwww)に基づいて、本当に起こり得る将来像かと期待された宇宙兄弟でしたが、それが覆され、近未来ではない別の世界のお話へと変わってしまいました。
それは、先に例として出した、コンステレーション計画 です。
実際にNASA で進められていた月面着陸を視野に入れた有人宇宙機計画でしたが、今年の3月、オバマ大統領が、世界同時不況に端を発する予算不足を理由に、中止を決定しました。
これには、打ち上げロケットのアレスⅠ と、アレスV 、それに宇宙船オリオン 、月面着陸機アルタイル を加えた構成となっており、物語でヒビトはこの計画の一環として月面に向ったのです。
計画が中止となり、アメリカの宇宙開発は基礎技術開発、無人探査に重点を置くといった方向に転換されました。
リーマンショックを叩き出したアメリカだけに、宇宙開発に向ける予算の確保は難しかったのかもしれません。
今後は、民間と、ロシアに期待するのがよいのでしょうか。
日本にも期待したいところですが、アメリカ傘下の国ですからねぇ。予算の確保はもっと困難でしょうな。
今日はここまで。
宇宙兄弟(9) (モーニングKC) (コミック)
小山 宙哉