羆に対する生態に関してはかなり緻密な表現があり、怖さは十分に伝わりましたが、セリフが不自然で、いまいち乗り切れなかった感は否めません。
厳密な定義は知りませんが、ミステリーというより、ホラー、あるいはパニックの要因が強かった気がします。
さて、そのシャトゥーン を抑えて、その年の一位になった作品は、ブレイクスルートライアルです。
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門脇雄介は、通勤途中のコーヒショップで、数年ぶりに再開した同ゼミ出身の丹羽史朗から依頼を受ける。
その依頼とは、門脇の勤務先の親企業であるネクストミレニアムグループが、一般公募で開催する<ブレイクスルートライアル>へのエントリーと、その成功だ。
ビル防犯システム分野におけるセキュリティ技術を得意とする同社の技術の宣伝と、欠点の抽出を主な目的とした一大イベントプロジェクトである。
技術の粋を結集したビルにチームで侵入し、ビル内に設置されたマーカーを奪い、脱出までを成功させたチームに、優勝賞金一億円が授与される。
丹羽には、マーカーと異なる、その建物に侵入する別の目的があるため、成功時の一億円は全て門脇に渡すという。
そして、そのイベントには、ダイヤモンド強盗犯グループと、元IT企業の社員グループとが参加を表明していた。
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ストーリーの主軸は、タイトル通りのセキュリティ破りモノですが、実際にトライアルが開始されるのは、中盤を過ぎてからです。
それまでは、主人公をはじめとする、主要挑戦者のキャラクタ設定に費やされます。シャトゥーン
設定が済むといよいよトライアルですが、これがまたいきなり始まります。
開始されると、各チームがどのような手段でセキュリティを破ってゆくかにフォーカスされますが、タイトルにするだけあって、幾つかの破り方の手法が提示されていて面白い。中でも、強盗チームの強引な突破法が、絶品です。もう、ああいう××なところ、大好きですね。
とはいえ、彼らの破り方に終始するわけでなく、ちょっと出来過ぎ感はあるものの、破る側だけでなく守る側に至っての登場人物同士の駆け引きや、今までそんなこと言ってなかったろ~的な秘密が突然明かされたりと、一筋縄ではすまない展開を見せています。
随所に、どゆこと?と言った謎解きがありますが、根幹のストーリーはそれほど複雑ではなく、割とさっくりと読めました。
そういう意味では、ミステリーと言っていいのか微妙な感じもしますが(笑)。
まぁ、■◆もないし、先のシャトゥーン とは違って、いろんな意味でキレイな作品だと思います。
一位と二位で、中身にこれほど開きがあるものか、と改めて感心したりもしましたが、そういえば、共通点がありました。
二つとも、舞台が北海道です。
なんか、意味あるのかな?
選考委員が北海道好き?なわけないすね。
今日はここまで。
ブレイクスルー・トライアル[伊園 旬] (宝島社文庫) (文庫)