「新世界より」と同じく分厚い上下巻、
そして上巻と下巻で、かなり展開が変わる作風が似ていて、前作を思い出しながら読んでいました。
上巻では蓮見先生視点から書かれ、蓮見先生の人となりやこの学校で起こる様々な問題を
どのように上手く解決するかが書かれています。
下巻は生徒vs蓮見先生のまさにバトルロイヤル色が強く、
蓮見先生超人過ぎやしないかと思わないではない感じで読んでました(^▽^;)
第九章以降はほぼある一日を分単位で書かれていて、やはりこの作品の
一番の読み応えのある場所かと思われます。
なにせ18:25~22:20の出来事に250ページ弱を使用しておりますので。。。
ここでの生徒と先生の駆け引きが良かったです。
手のひらで踊らされているもの・無謀に飛び掛るもの・機会をうかがうもの、
クラス40名もいるので、色んな性格の人もいて、
もし自分がこの危機的状況に陥ったら(そんな確率10の-10乗%以下かもですが

どんな立ち位置になるだろと考えるのも面白いです。
ラストの幕引きはあっさりとしていましたが、幕を引く決定的証拠が
「あの時のアレか!?」と驚くこと請け合いです(^∇^)
ただ、他にもあの時のあれは?と宙ぶらりんなものもあるのですが…
私としては学校問題をハスミン視点での解決(それが非人道的だとしても)していく上巻が好みでしたね。
ハスミンを表していたのは下巻のような気もするのですが。
この分厚さを全然苦もなく、ハスミンの英語ワンポイントアドバイスや「モンティ・ホール問題」など、
勉強になる小ネタが多いのも好きでしたし、
人数が多すぎて「この人誰だっけ?」と思うこともありますが、
圭介・怜花・雄一郎トリオやバンドメンバーや園田教諭はなかなか好きでした。
普通の学校舞台の小説とかなり違う感じで、かなり読み応えがある作品でした

又、悪の教典の公式ページに口笛による『モリタート』はなんとも雰囲気がありましたよ

- 悪の教典 下/貴志 祐介
- ¥1,800
- Amazon.co.jp
この先は、ネタバレが多い雑記を・・・
圭介さんが下巻序盤でまさかのリタイア!
ハヤッ∑(-x-;)
また、園田先生を殺そうとしている時のハスミンの地の文がシュールで、妙な雰囲気でした。
「いったいなんで、高校教師なんかやってるんだ。UFCへ行け」って。。。
カラスはこの本の象徴的なものかと思ったのですが、見ているだけに留まりました。
う~みゅ、他にもメッセージがあるのかもしれないのですが…
宇宙人的なハスミンは理解がしがたいですが、
ブラックジャックが「バールのようなもの」と同じく使い勝手が良い道具だということはこの本で理解しましたww