ひとりでバンドやろうぜ外伝
音楽小学校0年生・第7楽章
大人の自由研究
06.抜いたらどうよのペンタトニック4種
マンネリ。人類の進化はマンネリとの戦いと言っても過言ではありません。人類はマンネリだから恋人と別れたりもするし、マンネリだから革命を起こしたりもします。そしてあなたの作る音楽にも例外なくマンネリが訪れます。
確かにメジャースケールとマイナースケールは偉大な発明でしたが、何百年も擦られ続けてもうマンネリもいいところです。しかしスケール内の音はこれ以上増やせません。そこで人類はどうしたか。なんと「スケール内の音を減らす」ことでマンネリ打破を試みました。減らすことで新しくするって、ちょっとない発想ですよね。誰が考えたんだか天才的。
それとは別に近代西洋音楽を知らない地域の民族が、自然発生的に開発したスケールもあります。今回はそれらを紹介しましょう。
・Amペンタトニックスケール
やっと出てきましたよ。ロックギター野郎には耳タコのスケールで、教本によってはAmスケールよりも早く出てきます。すでにこれも開発し尽くされてマンネリではありますが、ロックやブルースにおける重要度はAmスケールより上かもしれません。
構造としてはAmスケールから、2番目のBと6番目のFを抜いた5音のスケールです。「ペンタ」は「5」、「トニック」は「基準」という意味でで、これを弾くと身体がロックやブルースを求めている実感が湧いてきます。
まーロックやブルースのみならずあらゆるジャンルで擦られまくってますが、てんてーの最推しは『天国への階段』におけるペイジ先生のギターソロですね。Amペンタの魅力がたっぷり詰まってますので、ロックギター野郎各位におかれましては是非コピーをオススメします。
・Aヨナ抜き短音階
あんまり聞いたことのない名前ですが、音階を聴けば誰でも速攻分かります。その名の通りAmスケールから4番目のDと7番目のGを抜いたペンタトニックスケールの一種ですが、これを弾くとまさに「演歌」そして「童謡」、御年配の方は「古賀メロディ」を思い出すんじゃないでしょうか。日本古来からある土着の音階が、西洋音楽に編入されたとも言えますね。
・Cメジャーペンタトニックスケール
これもロックギター野郎には耳タコの、いわゆる「メジャペン」です。平行調のAmペンタトニックスケールを、Cから始めるとこれになります。Cメジャースケールとの比較だと4番目のF、7番目のBを抜いたスケールで、これもまたロックやブルースの基本スケールとなっています。
有名な曲だと前出の『スタンドバイミー』ですね。あれはAメジャーペンタトニックで基本的なメロディが作られていますが、移調すれぱCメジャーペンタトニックですから音程の並びは同じです。
・Cニロ抜き長音階
ますます聞いたことありませんね。でもこれも音階を聴けば速攻分かります。Cメジャーから2番目のDと6番目のAを抜いたペンタトニックスケールの一種で、これを弾くと一気に「沖縄」というか「琉球」の雰囲気が出せます。音を抜いてるだけなのにこの変わりようは結構ビックリで、やはりこれも地域発の自然発生音階だったと言われています。
これはもちろんTHE BOOMの『島唄』や、沖縄出身のバンドBEGINの楽曲などで多用されていますね。
とまあこのようにペンタトニックスケールはマンネリ打破のための特効薬だったはずなのですが、現在それすらマンネリです。ここからどうするかが、これからのミュージシャンに委ねられているんじゃないでしょうか。
ここで問題です。米津玄師の『パプリカ』はこの4つのペンタトニックスケールのうちのどれかで作られていますが、さてどれでしょう?
答えは調べてみてくださいね。マンネリの中でもあんな曲が作れて、しかもヒットが飛ばせるなんてすごいなーと分かる一例です。