ひとりでバンドやろうぜ外伝

 「異弦同音」をとことん調べた

大人の自由研究


さてここは機材紹介でもアドリブ指南でもないので、筆者でもてんてーでもなく一人称オレで書きます。


ある日、いつものようにアドリブを弾きまくっていたオレはふと思いました。


弾くポジションはいくつもあるけど、なんか同じような音しかしてなくない?いやそもそもギターって何オクターブあるんだろうか…?


演奏を止め、改めてギターを正面から眺めるとこの疑問は簡単に解けました。6弦開放のEから1弦24フレットのEまでなら最大4オクターブです。この間を残り4本の弦で5フレット、あるいは4フレット分ずらしながら音を埋めてギターは成り立っています。正確には下記です。


1弦開放のE=2弦5フレットのE

2弦開放のB=3弦4フレットのB

3弦開放のG=4弦5フレットのG

4弦開放のD=5弦5フレットのD

5弦開放のA=6弦5フレットのA


そう、チューニングの時に使われるあれです。これらは「異弦同音」と呼びます。


各弦の音域の差はこのような位置関係で決まっているのですが、当然他のフレットも同じ位置関係を維持して高音側終端フレット(今回仮に24フレットとします)まで続いています。


ということは、上記だけでなく相当な数の「異弦同音」があるはずです。さていくつあるのでしょうか。


ギターが出せる音の数は24フレットx弦6本+開放6音=150音ですが、4オクターブ分を鍵盤で見てみると49鍵で済んでいます。ということは残りの101音はダブり、つまり「異弦同音」です。こんなにあるんですね。チューニングの時にしか話題に出てこないので、何となくしか知りませんでした。


ならば指板全域の異弦同音の分布はどうなっているのか?調べてみても出てこなかったので、オレが作りました。



最低音を仮にE1とすると、G#までの5音は異弦同音がありません。この紫色のエリアを含め、3弦2フレットD#までの青色のエリアが第1オクターブです。


青緑色は第2オクターブ

緑色は第3オクターブ

黄色は第4オクターブ


そして第4オクターブの中でも1弦20フレットからの5音(赤色のエリア)はまた異弦同音がありません。


特に注目は「E3音」です。1弦開放から6弦24フレットまで、全ての弦に異弦同音が存在しています。


図の2段目は異弦同音の数です。予想通りE3音を中心とした中音域ほど異弦同音が多いことが分かります。


3段目はオクターブを無視した12音階の音の数です。いずれかの音が極端に少ないこともあるかと思っていましたが、上手い具合に均等化されていました。


その他D#の最低音は5弦6フレットとかなり高く、Fの最高音は1弦13フレットとかなり低いことも分かります。


何となく左下から右上に向かうエリアを多用していましたが、理に適った使い方だったんですね。これが右下から左上だと、ずっと同じような高さの音を鳴らすことになってしまいます。


いやースッキリしました。異弦同音ついてここまで詳細に調べたブログは見かけませんでしたので、きっとどなたかの役に立つと思います。


ー終ー


追記:色分けが分かりにくかったので、別図を載せておきます。