※ ネタバレあり注意
設定はコメディドラマやギャグ漫画・アニメによくあるパターンなんです。
金持ちと貧乏の家族がいて、金持ちの家族が留守の間に貧乏の家族が家に忍び込んで好き勝手する。
そしたら、予定外に金持ちの家族が帰ってくる。
貧乏の家族が逃げようとしたけど、いろいろトラブルが起こって金持ちの家族が家に着くまでに逃げ出すことに失敗。
金持ちの家族の目をかいくぐりながら、家からの脱出を目指す…っていう。
そんな日本のコメディドラマやギャグ漫画・アニメで使い古された設定を、アカデミー賞やらパルム・ドールを獲るまでのストーリーに仕立て上げたんだから、この映画はホントにすごいと思います。
確かに面白かったですよ。
次から次にいろんなことが起こって、「これ、どうなるんやろ?見逃さないようにしとかないとな!」ってなるんです。
話がどちらに向かうか分からないんですよ。
逃げるのに失敗するのか成功するのか、とか。
誰が死んで、誰が助かるのか、誰が誰を殺すのか、とか。
最終的に両方の家族がどうなるのか、とか。
最後まで着地点の分からない映画でしたね。
なんとなく『万引き家族』と比べちゃいましたね。
どちらも貧乏な家族の話だし、パルムドールを獲ったっていう共通点もあって。
家族の貧乏臭さの再現度は『パラサイト』の勝ちかなぁ。
『万引き家族』は松岡茉優が足を引っ張ってましたね。
貧乏なわりに髪ツヤがよすぎて、貧乏に見えませんでしたから。
絶対いいシャンプー使ってるやろ、っていう 笑
『パラサイト』の金髪の若い女性は、いい感じに貧乏臭かったです。
他の方のレビューで「金はないのに金髪に染められるのか」って書かれてるのを多く見ましたが、僕はあの金髪が逆に貧乏臭さを際立たせていたと思います。
お金がない人ほど、明るい金髪に染めたがるし、仕上がりが荒い。
あの傷んだ金髪は、貧乏臭さがよく表現できていました。
演じた女優もキレイ過ぎず、スタイルもそれほどよくなくて、ちょうどいい感じの女優でしたね 笑
他の俳優も『パラサイト』の方が貧乏臭さが出てたかなぁ。
『万引き家族』は樹木希林が強すぎて、安藤さくらがまぁまぁで、他はあんまり…って感じでしたが、『パラサイト』はみんな平均的に貧乏臭いです。
どちらが勝ちとは言いにくい比較になりましたけど 笑
対象的なのは、家族同士の絆の深さなんですけど、『パラサイト』は深い絆で結ばれています。
『万引き家族』は一見仲がいい家族なんですけど、どこか他の人を利用しようとしたり、犠牲にしようとしていました。
僕は『万引き家族』のそういうところが好きでしたね。
『パラサイト』は家族が仲よすぎたのがちょっと甘いところだったかな。
話の展開は『万引き家族』はゆったり、『パラサイト』はスピーディーなので、エンタメ性では『パラサイト』の勝ちかな。
いろいろ比べさせてもらいましたが、結局どちらが優れてるとは言えないですけど、好きだったのは『パラサイト』だったかな。
あとひとつ言わせてもらえば、結末はどうなんでしょう?
息子が屋敷の地下に隠れている父親を助けるための計画なんですけど、勉強して、いい仕事に就いて、お金を稼いで、屋敷を買い取る、って、、
最初からそうしたらよかったんじゃないの?って思いました。
頭は元からよかったですからね。
日本じゃお金がなくて学歴が得られなかった人でも、一生懸命働いたりして、大金を得た人って結構いると思うんですけど、韓国はそうはいかないのかな?
韓国は完全な学歴社会なんですかね?
それに、この映画最大のテーマである "貧富の差" も、これがリアルに今でもあるのかなぁと思いました。
大雨が降ったら下水が溢れ出すような環境で暮らす人たちがいるんですかね?
そのへんを知っていれば、この映画もさらに面白かったかもしれませんね。
ストーリーでも十分に楽しめた映画ではありましたけどね。