この映画も面白かったですね。
ジョーカーが出ている映画はどれも素晴らしかったです。
『スーサイド・スクワッド』はなかったことにしてもよくないですか?笑
とにかく、この映画も楽しめました。
悪に目覚めていく姿がかっこよかったです。
こう言うと人格疑われそうですけど 笑

ホアキン・フェニックスって何の作品に出てるのかすぐに思い浮かばないくらいの俳優だったんですけど、すごい俳優でした。
最初のさえないおっさんから、悪のカリスマになるまでの変化はまるで別人でした。
同じ俳優が演じてるのかってくらい。
役作りのために減量したらしいですけど、いい感じに気持ち悪い体型になってましたね 笑
それに加えて猫背になったり、肩の動かし方や身体の捻り方でさらに気持ち悪く見えていました。
きっとそれぞれのシーンでの動きを、じっくり研究したんじゃないでしょうか?
すごく勤勉な俳優だと思いますよ、ホアキン・フェニックスは。
と思ったら、この映画のメイクでは20分もじーっとしていられなかったり、過去に奇行を繰り返したり、真面目な俳優からは程遠いエピソードも多く目にしました。
こういうホアキンの二面性も、ジョーカーのキャラクターも際立たせているし、この映画を面白くしてるんじゃないでしょうか?
ホアキン・フェニックスの他の出演作も見たくなりましたね。
そのくらい、興味が引かれる演技と人間性のある俳優だと思います。

ひとつ疑問なんですが、『バットマン』『ダークナイト』、そしてこの『ジョーカー』それぞれのジョーカーの設定が微妙に違うのはどうなんでしょうか?
『バットマン』のジョーカーは1人のギャングがジョーカーになりましたが、この映画のジョーカーは精神を患った売れないコメディアンがジョーカーになりました。
それに、『バットマン』のジョーカーは火傷のせいで常に笑っているように筋肉が引きつっていて、『ダークナイト』のジョーカーは口が裂けて縫合しています。
でも、この映画のジョーカーは顔に傷などはなく、ただ笑っているように口の周りを赤く塗っているだけです。
それぞれの映画でジョーカーの設定が違うし、それぞれのジョーカーを同一人物として見ると矛盾してしまうところが出てきます。
多分、そのへんをつつかれると、最近よく使われる平行世界とかパラレル・ワールドとか言うんでしょうね。
あのジョーカーとこのジョーカーは別人ですよ、って。
そうなると、監督の好き勝手にキャラクターがいじられてしまうし、何でもありになってしまうじゃないですか。
「あれ?ジョーカーってこういう設定ですよね?」「このジョーカーは、そのジョーカーとは別世界のジョーカーですから」って逃げられてしまうわけですよ。
僕はそれはあまり好きじゃないですね。
既存のキャラクターを扱う映画を撮るなら、監督にはその設定の中で勝負して欲しいです。
ただ、僕はオリジナルのジョーカーの設定を知らないんですけど 笑
希望を言えば、この映画みたいにもともと精神を患った男の設定じゃなくて、生粋の悪であって欲しかったです。
だから、この映画を面白いとは言いましたけど、これがジョーカーの成り立ちと言われると、少し残念に思ってしまうところがあります。
だから、僕はこれがジョーカーの物語じゃなくてよかったんじゃないかと思うんです。
この監督オリジナルの悪党でよかったんですよ。
ジョーカーの人気にあやかって興行収入を上げたかったんでしょうけど、僕はそれ以上にこの映画には魅力があったと思うんですけどね。
この映画のストーリーや演出には、ジョーカーというキャラクターにも負けないくらいの面白さがありましたよ。
まぁ、ジョーカーという触れ込みがなかったら、見ていなかった可能性もありましたけど 笑