2008年6月15日(日曜)、金子麻美さんの「ファーストライブ」にいって来ました。ご本人もブログを書かれているので、公式のプロフはそちらをご覧いただきたいのですが、ざっと復習をさせてもらいます。山形から上京、歌手を目指して日本テレビ系列の歌スタ!に出場、鎌田雅人ハンターの「よろしく札」で最終プレゼンまで行くも、惜しくもメジャーデビューならず。しかし、歌うことをあきらめず、鎌田氏のもとでいろんなチャンスをもらって修業中、という感じの方です。

今回は新宿SACT!で「四季風流VOL3」の企画。金子さんは14時からの最初の出番でした。

 演奏メンバーとセットリスト(敬称略)は、

 

Vo. 金子麻美、Key. 鎌田雅人、Violin 三上まき(ex.風絃流し)

 

1.「東京行き」作詞:岡本貴也(脚本家/

       ピンボール・ドライブ)、作曲:鎌田雅人

2.「笑わなくちゃ」作詞、作曲:鎌田雅人

3.「そのままで」作詞:金子麻美、作曲:鎌田雅人

 




 彼女の声の最大の特長は、伸びのよい高音。ファルセットに安易に逃げないし、倍音が豊か。高音域からぎゅーっと引っ張って行く独特の歌い方は、聴いている人を有無を言わさず引き込んでしまう。










 1.の「東京行き」は、まさにいきなりそんな感じで、普段は開かない心の奥の扉が開いて、キュンとするヤバイ感じ。歌、詞、演奏が噛み合い、Aメロ、Bメロ、サビ、それぞれでメリハリがついて曲構成に歌がよく乗っかっている。特に言葉をたたみかけるサビは、もう堪えきれなくなりそう。後から調べたら、作詞の方は音楽活動だけでなく脚本家として名のある方のよう。どうりで情景が目に浮かぶ詞が描ける訳だ。ブレスとか歌うテクは難しそうだが、伝えるべき状況ははっきりしているので、彼女にベストマッチかな。この曲、ちょっと70年代フォーク的なベタさはあるけど、世代が一巡して懐かしくもあり今の人達には新鮮で、いけるかもね。演奏が終わった直後に、御本人にもすぐ「1曲目良かったよ!」って伝えましたけど、詞の内容をよく表現できた声使いだった。ソフトなだけではなく、押すとこは押さないと歌にならないので、彼女自身にはすごく勉強になったかな。伴奏が切れてアカペラ気味になるサビメロの部分も安心して聴いていられました。

2.の「笑わなくちゃ」は、オーディションでレーベルへのプレゼン曲。そして、3.の「そのままで」は、自身初の作詞曲。どちらも思い入れもあり、彼女の声の特長に合わせて鎌田さんが作られた曲だから、すみずみまで手抜きなく歌えていたけど、どちらも内面的な曲なので、表現という意味では難しかった。聞き手は、同じ気持ちになりたい、感情を分かち合いたいと願っている訳だから、相手を歌のテクニックという森の中で迷子にさせないで、何を共有するかをしっかり表現して、手を引っ張って行ってほうらここだよ、って聴かせるのが課題かな。

という感じで、正直な感想を「そのままで」書きました。いずれにしても、この3曲で出した力を掛け算で出せるようになったら、大きく大きく変わりますね。彼女は、琴線に響くストリングス的な音に声が乗っている感じなので、バイオリンの三上さんとの「二重奏」(失礼!)としても、面白く、聴き応えがありました。行って良かった。

 

近い未来に「山形のハイジ」が、沢山の「なりきりペータ」や「なりきりクララ」、「なりきりヨーゼフ!?」の大観衆に囲まれて歌の空間を共有できるようになる日が楽しみです。