人柱 | TON UP BOY STRIKES BACK

人柱

築城の際 工事が順調に進むためや 敵襲に打ち勝つことを祈願し 生贄を敷地内に埋めることを  人柱(ひとばしら)といいます




先日訪れた小峰城にも おとめ桜という 墓石の傍らに咲く桜がありました


この桜の名の由来は 寛永年間 丹羽長重が小峰城改築の際 どうしても石垣がうまく積めないので 改築現場を最初に通りかかった人物を人柱にしようということになりました


その際 運悪く そこを通りかかったのが「おとめ」という娘でした この娘は改築現場で働く父親にお弁当を届けにきていました


おとめが人柱となった後 小峰城の改築は無事に完了しました


改築が無事に完了したのも 人柱のおかげだということになり おとめの御霊を弔うという意味でも 桜が植えられたそうです




このほかにも 全国には 様々な人柱伝説があるようです



ひこにゃん  でもおなじみの滋賀県にある彦根城では 工事が進まないことに頭を抱えた
側近が人柱を立てるという話を持ちかけた際 井伊直勝が反対した という話を聞いた菊という町娘が自ら人柱に名乗りをあげた 菊の忠心に感心した直勝は人柱を立てることを決めた 菊が埋められてからというもの それまでの難工事が嘘のように 築城工事は完了した


城が完成すると 菊の父親のもとに 直勝公があらためて礼がしたいとの伝えが来た 屋敷の一室に通された父親は 廊下から着物の擦れる音が聞こえると 直勝公がいらっしゃると思い 畳にひれ伏した

「お顔をお上げください」

聞き慣れた女の声が聞こえた 驚いて顔を上げると そこには菊の姿があった



直勝は 菊本人の志願とはいえ どうしても人柱を認めることができず 菊が納められた木箱を 埋める直前で空箱とすり替えたという




直勝の好意に 父親はとても感激したそうな

でめたし でめたし・・・




菊が人柱になったと思い込んだ築城関係者たちは 菊の無念をはらそうと 必死になって働き 見事に城を完成させたというカラクリです



さずが 徳川四天王・井伊直政の長男 病弱で出陣できず長男でありながらも家督を継ぐことはありませんでしたが やさしい心を持っていたようです





まさに 「人は城 人は石垣 人は堀 」 です



いくら城を強固にしても 人の心が離れてしまったら世を治めることはできない という信玄公のありがたいお言葉です