録画なので少し前の番組なのだけれど、外国語が母語で、小学校高学年くらいから日本に来た子供たち。

 

日本語は完全に「外国人の日本語」で、訛りがあってたどたどしい。授業の言葉も友達とのおしゃべりもよくわからなくて、読み書きなんかもちろんわからなくて当然授業はついていけない。

でも自分の母語は使うことがないのでどんどんどんどん消えていく。

お母さんともう母語で話すことができない。自分の母語は失われてきて日本語が優勢になってきている。

でもお母さんは日本語がうまくないから、母語でも日本語でもお互い心から分かり合える言葉がなくて込み入った話ができない、心の距離が開いていくというような話でした。

 

発音の臨界期(4-7歳ごろ)を過ぎて、でもまだ言語システムの臨界期(9-12歳ごろ)はまだ、というくらいの時期の主要言語の急激な変化というのは、セミリンガルの大きな要因だと思っています。

 

彼らの母語は完成寸前に断ち切られてしまい、新しく入ってくる言語は不完全で「思考の主体」となるにはまだ幼く、完全に教育の空白期間をさまよっています。

 

彼らに未来はあるか?

申し訳ないけど日本では生きていけない…と思ってしまった。

少なくとも教育熱心な親が考えるような、良い大学を出て名のある企業に就職を、というような生き方はできない。高校に入学できるかも怪しい。

でもその時点で母国に帰っても、もはや母語もダメージを受けていて年齢相当に流ちょうに操れなくなっている。そして年齢相当の教育を受けてもいない。

 

国をまたいでの行き来が簡単になったけど、彼らはこういう時代の犠牲者としか言いようがない。

親もバイリンガル教育に疎く、子供が日本語で返すからと安易に日本語を話してしまう。ダメだよお母さん!!と思ってしまって…。

 

 

 

幼児期のバイリンガル教育に反対しながら簡単に小学校で1年くらい留学させればいいとかいう人いるけど、この思考の空白期間って子供にはすごいダメージだよね、と思う。

考える、ということを始めた小学生の子供たちからその思考手段をいきなり奪ってしまう。たぶん幼児期のバイリンガル環境よりそっちの方が断然ダメージが大きい。

 

幼児期からはもちろん、ある程度の教育が完成するまで(高校卒業するくらいまで)は、途切れずに進化し続ける統一した年齢相当の言語を持つ必要があると思う。

 

意外に幼児期からバイリンガル教育をしている人のほうが知識をもってよく気をつけているけど、入学時期くらいにそろそろ日本語もしっかりしたし英語でもやらせようか、と思う親のほうが無茶なことをしてしまうんじゃないかという気がする。

深く考えずにインターにいれたり、つてを頼って海外に行き現地校にいれたり。

 

海外ルーツの子供たちの悲劇を、お金を使って子供たちに施してしまうかもしれない安易な英語教育。

こわいなあと思います。

 

 

そして日本もかなりグローバル化してきたのにそういう外国人学生への支援はまだまだですね。

考えることの多い番組でした。