骨折の記録その3
骨折の記録その3
家の中で裸足で転んだのが良くなかった。裸足はあまりに無防備だった。
いつも履いているスリッパをなぜ履かなかったのか悔やまれた。
翌日、午前中から整形外科へ向かう。
すでに病院は混雑していた。
夫は、車の中で仕事をしている。
一人で待合室へ向かう。
忘れられているのかな、と心配になる頃にやっと診察に 呼ばれた。
結果は、骨折。
第5中足骨を縦に。
まるで割り箸のように。
スパッと。
さらに小指の付け根あたりは粉砕もしているようだ。
ギプス確定。
リハビリ室に行くよう言われた。
ギプスをいよいよつけるのね と思っていたら、まずは骨のズレを直します、と。
これ、子供の頃腕を骨折したときにやったことがある。恐ろしく痛い上にされるほうはなんの手応えもない地獄の時間だ。
ベッドに横になり、足を抱えられる。
暴れるほど痛いんだろうな〜と察した。
すると、施術するのは医師ではない、まだ初々しい女の子。カラコンが印象的だ。
おまけに施術するのを怖がっているのがわかる。
『◯◯さん、お手本見せて下さい』
と先輩であろう人に何度も交代を促していた。
先輩が施術開始を優しく促すも、確認やら質問していてなかなか始まらない。
それを聞いて、腹をくくった。
よし、新人さんの練習台になってやろう、と。
施術が始まると、案の定恐ろしく痛い。
なにせ触るだけでも痛い折れてる骨を、麻酔なしにこねくり回されているのだから。
先輩の指導を受けながら、一生懸命頑張る新人さん。
しかしいつまで経っても終わらない。
地獄の時間が終わらない。
流石に痛みに我慢ができなくなってきた。発狂寸前までこねくり回され、それは間違いなく拷問だった。
気がつけば、痛い〜!いつまで続くの!
と訴えていた。
普段、人に文句をほとんど言わないけど
このときばかりは言わずにはいられなかった。言わなきゃいつまででもこねくり回される恐怖すら覚えたからだ。
その後、もちろん骨のズレを直す施術は終わるのだけど。
すぐさま、やはり医師ではないリハビリ室のスタッフにギプスをつけてもらった。
折れたのは足の甲だけど、ふくらはぎの筋肉と連動して甲も動いてしまうのでギプスはふくらはぎからつま先までつけますね、と。
かかと付きとかの歩けるタイプのギプスではない。
折れた右足は着地不可のお達し。
包帯も外してはならないと。
当然、靴やスリッパは入らない。ギプス用のそれはそれはダサいサンダルを片方、購入することになった。
松葉杖の使い方を教わり、上手上手と褒められ、調子に乗る。
最後にもう一度レントゲンを取り、骨のズレが直ったか医師がチェックしてくれた。
素人目にはなんにも変わってないし、医師からもズレに対して感想は無かった。
ま、問題あったらなんか言われるでしょうからなんにも言われないということは問題無かったとして、良しとした。
松葉杖は病院からの貸出のため、保証金一万円が必要だった。
カード払いができないと言われ、現金が足らず車にいる夫に現金を持ってきてもらう。
さあ、ギプスと松葉杖の生活が始まった。