退院日決定 | ORANGEの備忘記録

退院日決定

手術から2日目。


痛みは相変わらずあるが、痛み止めがないとしんどいとか言うほどではない。


肩からぶら下げてるドレーンにも慣れた。点滴は案外気になるものだ。利き手に付いてるから、手を動かすたびに手の甲の血管に刺さる針は、管を通じて点滴バッグがありそれを支える点滴スタンドにつながるからとても気になってしまう。


とはいえ、今日は1日暇だ。


せっかくなので、一つ一つの行動に時間をかけることにした。

ゆっくり起床、ゆっくり食事、ゆっくりトイレ・・・


まだ行動範囲に制限があるので他のフロアに行くことはできないのだが、フロア内は動ける。ちょっとウロウロして見る。


するとちょっとした本棚と大きな窓に向かってベンチがあるスペースがあった。


外の景色は地元の学校が真向かいにあるだけでなんにも面白くも見栄えもないのだけど、本棚に小学生の頃唯一読んでいた漫画があった。


子供の頃漫画はあまり読まなかった。話の進むスピードが小説に比べて遅いとか、話のボリューム薄く感じられ、割に合わないと思っていた。文庫本と漫画本と同じくらいの値段で売っていた。小説はSF物から物語物、推理物といろいろな種類があったが当時流行っていた漫画の内容は恋愛物が多く小学生の自分には合わない。


そんなときでも、この漫画は読みたいと友達に借りたり自分で買ったりしてよく読んでいたのが「悪魔(ディモス)の花嫁」だ。


これの文庫本サイズにまとめられた本がそこにあった。


懐かしさでペラペラと中を見ると、あまり記憶にない話のようだ。とにかく字が小さい。


部屋に戻りこんな事もあろうかと持参した老眼鏡を持ち、再びやってきた。


他に2,3人がベンチに座っていたが、ここの本を読んでいる人はいない。本は持ち出し禁止だった。ほとんどが年配の人だったがみんなスマホをやっていた。


早速、漫画を読み始める。あー、なんか読んだような知ってるような。


懐かしい。


たっぷり読むつもりでやってきたのだが、自分でも驚くほど、集中力がない。

数話読んだところで、なんか違うことしたくなってくる。

術後の痛みのせいなのか、歳のせいなのか、持ち前の性格のせいなのか。


少なくとも先に来て座っていた人たちより早く席を立つのはなんか恥ずかしいので、粘る。


他の人もそんな長居をする人はいなかった。


頃合いをみて、退去。


この日はそんな事を繰り返し過ごした。

夕方になると、担当医の診察があった。

ここの病院は、入院中の診察はアポ無しだ。次いつ来るのかは知らされない。


手術で取ってもらった脂肪腫の写真をプリントしてもらった。


すると、様子も悪くないからドレーン外しましょうと、テープをバリッ!と勢いよく剥がす。まぁ痛いよ。ドレーンの管を挿しているあたりをぎゅうぎゅう押し始めた。え、普通にすごく痛いんですけど。

でも、やっぱりまだもう一晩、ドレーン付けときましょうとなった。あぁ、そうですか。


肩の動きも問題が出ていないので退院を早めましょうとの話。


こちらは夫に車で迎えに来てほしいから夫の休日の土曜日退院を希望していた。

だいぶ渋られたけどなんとか許可してもらえていたのを、結局もとに戻される話になっている。


我が家も事情が変わり、土曜日退院より手前の金曜、おまけに午前中退院のほうが都合が良くなった。

夫が木曜日にコロナワクチン接種があり、今までの接種後の様子から翌日の午後から副反応が強く出る予定だからだ。

つまり、金曜の午後から副反応が出てくる前に迎えに来てもらおう、という公算。


看護師さんに聞くと、病院の玄関には朝は特にタクシーが客待ちをしているので、降りていけばすぐに乗れるとのこと。

なんだ、無理して夫に来てもらわなくてもタクシーあるんか。


んじゃ退院はいつでもかまわないさ。


家にはそう連絡しておいた。