『早く!此処から出してくれ!
我が主!』
見た事の無い人達。
そして──夢から覚めた。
目をぱちぱちと瞬きをし、
──今の何!?不思議な夢……
でも、何んだか懐かしい様な?
あの2人は誰なんだろう。
ぼ~ぉとしていると、
ママの声が階段から聞こえ、
『鏡子~ぉ!ご飯よ~ぉ!』
何んだか気の抜けそうな…。
ムッとしながら起き上がり、
布団をガバッと足で蹴飛ばした。
『もう!ママったら!』
ブツブツ文句を言いながら、
ベッドを降り、
少し歩いてドアを開け階段へ。
左手で手すりを掴みながら、
ゆっくりと降りて行く。
廊下を進みキッチンへと向かうと
母が朝食の支度を整え、
鏡子のお弁当箱に
おかずを詰めていた。
鼻歌を唄いながら。
何だか、
少しずれている様な気がする。
すると父親が起きて来て、
『おはよう。今日も元気ですね。』
見れば分かるのにと、
まだムッとしたまま、
テーブルの朝食を見ながら
椅子を引きドタッと腰を下ろす。
テーブルには、
トーストとサラダが置いてある。