昨日紹介したドイツの作家、エーリッヒ・ケストナーですが、1899年今の東ドイツドレスデンに生まれました。ドレスデンは都市としては13世紀に遡ることのできる、古い歴史を持つ都市である。

 

1914年に第一次世界大戦がはじまり、3年後1918年11月11日に休戦協定が結ばれ、一旦戦争は収束します。

しかし、1933年3月の国会議員選挙で政治状況は大きく様変わりし、ドイツのワイマール憲法は反故にされ、再び戦争への道を歩み始めます。

 

こうした歴史の大きなうねりの中で、ケストナーは1928年に処女作『腰の上の心臓』と題する第一詩集を出版、15,000部を超えるベストセラーとなりました。

 

そして、1929年には、人に薦められて初の子供向け作品『エーミールと探偵たち』を出版。1931年には、「点子ちゃんとアントン」、1932年に「五月三十五日」1933年には、皆さんもよくご存じの「飛ぶ教室」、1934年にはユーモア小説「雪の中の三人男」そして、1935年に「エーミールと三人のふたご」が出版されています。

 

そして、「二人のロッテ」が出されたのは、戦後1949年になってからです。彼のこれらの作品は何度も映画化されています。

 

ヨーロッパ全体を巻き込んだ戦争が一旦止んだ短い年月に、彼は次々と作品を発表しました。

ケストナーが子供の世界から語りたかったものが何だったのかは、ケストナーの本を手にとったそれぞれの読者に委ねられているように思います。