鼻のプロテーゼ上には

ヒアルロン酸を注入すべきではありません。

 

プロテーゼが入っているのに

もう少し高くしたいからと言って、

ヒアルロン酸を注入すると

プロテーゼが感染してしまうことがあります。

 

ヒアルロン酸注入前の

不十分な皮膚消毒では、

感染することがあり、

この場合

注入から1~5日程度で

鼻部が発赤し、腫れます。

 

プロテーゼが感染したときは

抗生物質の内服や点滴で

様子をみるべきではなく、

プロテーゼ摘出が第一選択となります。

 

鼻孔縁を切開し、

ドレナージチューブを挿入し、

毎日洗浄といった方法もありますが、

改善に時間がかかり、

鼻翼軟骨が健康なかたちのままで

治療しないケースもあります。

 

特にプロテーゼが感染したにもかかわらず

内服薬や点滴だけで様子をみると

炎症が拡がり、

鼻の皮膚が拘縮し、

鼻翼軟骨が収縮することで

鼻尖の変形、アップノーズを発症します。

 

また感染の増悪で

皮膚に穴が開き、排膿することによって

その傷あとが残ることもあります。

 

鼻プロテーゼ上や近傍に

ヒアルロン酸を注入することは

感染するリスクがあり、

控えなければいけません。

 

以前鼻プロテーゼが入っている患者様で

他院で眉間にボトックスを注入し、

プロテーゼが感染した方が

当院にお越しになったことがありました。

 

鼻プロテーゼが入っている場合、

鼻へのヒアルロン酸注入は控えるほうが良く、

眉間や鼻根周囲へのボトックス注射は

慎重な検討が必要かと思います。

 

以下の画像は

鼻根に数回ヒアルロン酸を注入したところ

横に拡がってしまった患者様です。

 

↓初診時

 鼻根を高くし、すっきりさせようと

 何度も注入しているうちに

 太い鼻根になってしまいました。

 

↓ヒアルロン酸を溶解し、

 鼻根から鼻背にI型シリコンプロテーゼを

 入れることになりました。

 溶解すると鼻根から鼻背は平坦になりました、

 

↓プロテーゼ挿入から2ヵ月です。

 希望通りの細めの鼻根になりました。

 この患者様は同時に鼻尖形成も行いました。

 

この患者様は

術後の結果に満足されていましたが、

プロテーゼを挿入した患者様の中には、

数か月経つと

鼻の高さやかたちに慣れてしまい、

物足りなさを感じる方もいらっしゃいます。

 

高いプロテーゼを入れると

抜きたくなり、

控えめなものを入れると

もっと高くすべきだったと考えがちで、

現状を受け入れる努力も必要です。

 

慣れに負けて、

ヒアルロン酸を注入するといったリスクを

安易に選択しないよう

お気をつけください。

 

 

 

 

 

 

 

銀座すみれの花形成クリニック
院長 横山才也

日本美容外科学会(JSAPS)専門医
日本形成外科学会専門医

ホームページ

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