昨日は縫工筋の走行や私が気になっていることについて書かせていただきました。

 

なぜ起始と停止が真逆の位置にあるのにも関わらず、股関節や膝関節の運動時に移動することなく、その場に留まっていられるのか?それは大腿筋膜が縫工筋を含め大腿の筋の表面を覆っており包み込んでいるためです。

 

ただ停止部の方ではどうでしょうか?実際に解剖してみると大腿筋膜はほぼ消失し下腿筋膜らしきものも観察することができません。ではなぜ停止部のところでも運動時に縫工筋は移動しないので留まっていられるのでしょうか?

それは停止部付近では縫工筋の表面におさえつけるバンドが存在しているからです。(TOMOYUKI MOCHIZUKI, 2004)このバンドがあることで縫工筋が正しい位置に保持されるというメリットがあるのですが、反対にデメリットとしては鵞足炎を起こしやすいということがあります(斉藤正佳, 第27回東海北陸理学療法学術大会)

 

画像:Poirier (1893), Traite d’Anatomie Humanine