夢のダイエット薬? 太った体がスグスラリ?
スーグラ錠 発売開始 ~SGLT2阻害薬への期待~
2014年4月17日スーグラ錠50mgが販売開始となりました!
保険適応は「2型糖尿病」で、
用法・用量は「1日1回50mg朝食前又は朝食後に経口投与。
1日1回100mgまで増量可となっています。
作用機序は?
スーグラ錠
(SGLT2阻害薬)は、選択的SGLT2(Sodium-Glucose
Co-Transporter 2:ナトリウム依存性グルコース輸送担体)阻害薬という、既存薬にはない新しい作用機序を持つ薬です。
ブドウ糖の細胞内への輸送をつかさどっているSGLTは、細胞表面に存在する膜タンパク質で、SGLTの一つサブタイプのSGLT-2は 腎臓近位尿細管に局在し、
尿からのブドウ糖再取り込みをしています。
スーグラ錠
(SGLT2阻害薬)はこのSGLT2を選択的に阻害することで、
糖の尿中排泄を促進します。
今までの痩身薬は、
代謝促進のみで運動必須であったり、
体に吸収されないように食欲をなくす薬、
脂質・コレステロールの消化管吸収阻害薬、
ブドウ糖の消化管吸収遅延薬しかありませんでした。
今回、体内に吸収されてしまった糖を体外へ出すという
誘惑の多い現代社会にマッチした薬がようやく出ました。
効果は?
国内で実施された第3相試験(単独療法ならびに他の経口糖尿病との併用療法)などでは、
1日1回(朝食前または朝食後)の投与で、
長期(52週)にわたり優れたHbA1c低下作用を示すとともに体重減少作用が確認されています。
理論上は1日の尿糖排出量は70gにも及び、200~300Kcal/日程度排出するとのこと。
体重減少効果は52周目で平均67.49kgから3.53kgの減量です。
今回薬価収載が見送られた、肥満症治療剤のオブリーン錠(脂質の消化管吸収阻害薬)は、
52周目で平均85.43kgから2.27kgの減量なので、
スーグラ錠
(SGLT2阻害薬)のほうが体重減少作用が期待されます。
この体重減少が、主に低糖質状態での体脂肪の分解によって生じることが報告されており、
最近流行りの低炭水化物ダイエットや糖質制限が効果的であることの裏付けにもなります。
また、SGLT2阻害薬の投与によって、血糖コントロール効果とともに
体重、血圧、尿酸値に好影響を及ぼすことが明らかになったと結論づけられております。
SGLT2はグルコースとナトリウムの共輸送担体なので、
その阻害によってナトリウム排泄も促進され、
3~5mmHg程度の収縮期血圧の低下があるようです。
軽度ながらTGやHDL-Cにも好影響があるとのこと。