猫の下顎の皮膚裂傷
今回もまた猫さんの症例。
そしてまたしても、怪我を負った状態で保護されました。
保護された時は全身状態も悪く、また下顎の外傷の状態も非常に重篤だったため、近所の動物病院では「安楽死」を勧められたそうです。
しかし、入院して世話をしているうちに徐々に元気になり、食欲も出てきたので、「何とか生かしてあげたい」とのことで、当院を受診されました。
当院の初診時、顎の皮膚がザックリと裂けた状態で、下顎骨が剥き出しになっていました。
包帯やドレッシングが巻ける位置でもなく、手術も困難と思われました。
しかしよく見てみると、裂けた皮膚の創縁に、口唇粘膜の一部が残っており、これをうまく剥がして前方に引っ張ってくれば、歯肉部分と縫い合わせることが出来るのではないか?
ということで、手術を行いました。
骨が削れて、歯根が露出している左の犬歯は抜歯しました。
何とか綺麗に縫い合わせることが出来ました。
顎の縫合部が皿に当たらないように、術後は手からご飯を与えました。
術後の経過も良好、食欲旺盛で約2週間ほどで抜糸、退院となりました。